[画像] 履正社が夏初の8強!延長14回の熱戦制した星稜は奥川が23K<大会11日目>

◆ ベスト8が出そろう

 6日(火)に開幕した「第101回全国高等学校野球選手権大会」は大会11日目。17日は3回戦最後の4試合が行われ、ベスト8が出そろった。前日に続き準々決勝進出の切符を手にしたのは、履正社(大阪)・星稜(石川)・仙台育英(宮城)・関東一(東東京)の4チーム。準々決勝はあす、18日(日)に全4試合が行われ、令和初の4強が決定する。

◆ 履正社の4番・井上が5打点の活躍

 第1試合は履正社が14安打で9得点を奪い、夏は初となる準々決勝進出を決めた。

 立ち上がりから走者を出しながら得点を奪えなかった履正社は3回、先頭の2番・池田がフェンス直撃の二塁打を放つと、3番・小深田が安打で続き、5番・内倉が先制の中安打。さらに7番・野口が二死一二塁から適時三塁打を放ち、3−0とリードを奪った。

 2年連続16強の高岡商も4回表、6回表と、5番・藤井の2打席連続犠飛で1点ずつを返したが、履正社は4回裏に押し出し死球と犠飛で、6回裏には4番・井上の2ランで、それぞれ2点ずつを加えて突き放した。結局、7回にも井上の2点適時打で加点した履正社が、高岡商の反撃を振り切って8強入りを決めた。

▼ 履正社(大阪) 9 − 4 高岡商(富山)

高|000 101 002|4

履|003 202 20X|9

<継投>

高:荒井(6回)、松代(2回)

履:清水(6回)、岩崎(3回)

<本塁打>

高:なし

履:井上(6回・2ラン)

◆ 令和初のタイブレークは星稜に軍配

 第2試合は、延長14回(13回からタイブレーク)にまでもつれた熱戦を、大会No.1投手の呼び声高い奥川擁する星稜が制した。

 序盤から自己最速タイの154キロを計測した奥川は、150キロ台のストレートとスライダーをコースに投げ分け、強打の智弁和歌山打線を圧倒した。4回に星稜が犠飛で先制すると、6回に守備の乱れもあって同点とされたが、その後は再び付け入る隙を与えず、9回を投げ終えて毎回の17奪三振を記録。しかし、対する智弁和歌山も3投手の継投で得点を与えず、試合は延長戦に。

 その延長でも、星稜・奥川、智弁和歌山・池田の両エースが奮闘。バックの堅い守りもあり、12回を終えても1−1のスコアは動かず、今大会初の“タイブレーク(無死一二塁からスタート)”に突入した。両チームとも、13回、14回と、送りバントも許さない好守を見せたが、14回裏に星稜の福本が左中間スタンドに飛び込むサヨナラ3ランを放ち、今大会屈指の激闘に幕を下ろした。

▼ 星稜(石川) 4× − 1 智弁和歌山(和歌山)

智|000 001 000 000 00 |1

星|000 100 000 000 03×|4

<継投>

智:小林(3.2回)、矢田(1.1回)、池田(8.1回)

星:奥川(14回)

<本塁打>

智:なし

星:福本(14回・3ラン)

◆ 仙台育英が3試合連続2桁安打で逆転勝ち

 第3試合も終盤までもつれる接戦となり、3試合連続の2桁安打を記録した仙台育英(宮城)が逆転勝ちで2年ぶりのベスト8進出を決めた。

 試合は初回、先攻の敦賀気比の3番・杉田が後頭部に死球を受け、その裏の守備から交代するアクシデントに見舞われたが、3回に先手を奪う。杉田に代わって出場した長谷川が四球を選んで出塁すると、そこから二死一二塁となり、6番・野道の適時打で先制。さらに暴投と7番・長浜の2点適時打で、3点を奪った。

 しかし仙台育英は5回、二死から長短交えた3連打で2点を返すと、続く6回にも4本のヒットにスクイズを絡めて2点を奪って逆転に成功。敦賀気比は7回に二死満塁、9回表には一死一三塁の好機を作り出したが、あと一本が出なかった。最後は仙台育英の3番手・1年生左腕の笹倉がピンチを切り抜け、接戦をものにした。

▼ 敦賀気比(福井) 3 − 2 仙台育英(宮城)

敦|003 000 000|3

仙|000 022 00X|4

<継投>

敦:鈴木(3回)、大栄(5.1回)、笹倉(0.2回)

仙:笠島(6回)、黒田(1回)、松村(1回)

<本塁打>

敦:なし

仙:なし

◆ 関東一の土屋が好救援でサヨナラ演出

 第4試合は、関東一がサヨナラ勝ちでベスト8に名乗りを挙げた。

 先手を奪ったのは鶴岡東。2回表に四球で走者を出すと、ランエンドヒットから7番・山路が二塁打を放ち、一塁走者が長駆ホームイン。しかしその裏、関東一が8番・村岡の適時二塁打で同点に追いつくと、相手守備のミスに乗じて4−1と逆転した。

 これで一気に関東一ペースになるかと思われたが、山形の2番・竹花が2ランを放ち、追いすがる。その後はお互いに走者を出しながらも得点は生まれなかったが、5回表に山路の2本目の適時二塁打などで鶴岡東が3点を奪って逆転。対する関東一も7回裏に3連打で2点を返して試合を振り出しに戻した。

 関東一は2番手の土屋が5回を1安打と完ぺきな救援。これで流れを作ると、9回以降は得点圏に走者を置きながらあと一本が出なかったが、延長11回裏に二死から3番・渋谷が5安打目となる三塁打で出塁。4番・平泉の敬遠を挟んで迎えた5番・平川が鋭い打球をライト前に運んでサヨナラ決着となった。

 

▼ 鶴岡東(山形) 6 − 7x 関東一(東東京)

鶴|012 003 000 00 |6

関|040 000 200 01x|7

<継投>

鶴:影山(6.1回)、池田(4.1回)

関:谷(6回)、土屋(5回)

<本塁打>

鶴:竹花(3回・2ラン)

関:なし

◆ 第101回全国高等学校野球選手権大会・11日目結果

▼ 3回戦・8月17日(土)

【第1試合】履正社 9 − 4 高岡商

【第2試合】星 稜 4× − 1 智弁和歌山

【第3試合】敦賀気比 3 − 4 仙台育英

【第4試合】鶴岡東 6 − 7x 関東一

◆ 第101回全国高等学校野球選手権大会・12日目日程

▼ 準々決勝・8月18日(日)

【第1試合】明石商 − 八戸学院光星

【第2試合】中京学院大中京 − 作新学院

【第3試合】星 稜 − 仙台育英

【第4試合】履正社 − 関東一