選挙中にもインサイダー疑惑？

　堀江氏は、同19日に自民党本部で出馬表明した足で新幹線に飛び乗り、選挙区入り。いったん東京に戻った同23日には、六本木ヒルズの自席で仕事をこなす姿があった。ジャック社買収決議前日の24日午前は飛行機で広島にトンボ帰りし、27日には大阪でのライブドア証券主催セミナーに登壇。30日朝に行われた尾道での出陣式には東京から駆けつけ、９月６日には外国特派員協会（東京都千代田区）での講演と期日前投票を行うなど、広島での選挙と東京での社長業、私生活を両立させていた足跡が見える。

　その間に、ジャック社買収にも関わっていた可能性も考えられる。堀江氏は、選挙後の雑誌インタビューで次のように振り返っている。「社長業への影響は全くなかったですね。移動時間中に、ジャック・ホールディングスの資料とか見てましたから」（日経ビジネス、2005年９月19日号）。一部報道によると、ＳＥＳＣは、東証が告発したインサイダー取引疑惑について、東京地検と行ったライブドアへの強制捜査で押収した資料をもとに事件との関連性を調べているという。

　「カイテン、カイテン、カイテン･･･」。2006年元旦、赤いユニフォームを着た堀江氏が出演するテレビＣＭの開始とともに、ジャック社は社名を「ライブドアオート」に改めた。その直後、社外取締役を務めていた堀江、宮内、岡本文人の３容疑者が証券取引法違反容疑で逮捕され、辞任した。２月６日現在、「インサイダー取引」報道に対するコメントは、ライブドア、ライブドアオートの両社から発表されていない。【了】