中国メディア・東方網は22日、韓国・光州で行われている世界水泳の競泳種目で、現在白血病の治療に専念している池江璃花子さんを励ます心温まる一幕があったと報じた。

 記事は、22日に行われた同大会女子100メートルバタフライ決勝で、カナダの新鋭マーガレット・マクニール選手が、優勝候補のスウェーデンのサラ・ショーストロム選手を破る波乱を引き起こしたと紹介したうえで、敗れたショーストロム選手が表彰式で辛い表情を見せることがなかったばかりか、「今大会で最も心温まる一幕に立ち会った」と伝えた。

 そして、同種目の表彰式で国旗掲揚後に表彰台の3選手が一緒に抱き合った後、3人がカメラの前に向かってそれぞれ両手のひらを出し、「イケエ・リカコ・ネバー・ギブアップ」とのメッセージを見せたと紹介している。

 記事は、池江さんについて、昨年のアジア大会で金メダル6枚、銀メダル2枚を獲得してMVPを獲得したほか、昨年8月現在で個人12種目、リレー9種目の日本記録保持者となっており、日本水泳界のスーパースターであると伝える一方、今年2月に白血病を患ったことを自らSNSで明かし、現在は競技活動を一切停止して治療に専念しているとした。

 また、池江さんは50メートルバタフライで強い力を持っており、ショーストロムとは常に激しい戦いを繰り広げてきたと紹介。この関係を知っていれば、表彰式でショーストロムが心温まる行動に参加した理由はすぐに分かるとしたうえで「3選手はわれわれにスポーツ精神を見せてくれた。これこそスポーツだ。われわれも池江の早期回復を願っている」と賞賛し、池江さんへのエールを送っている。

 プールへの復帰に向けて病気と闘っている池江さんも、「宿敵」たちのメッセージを見て大いに励まされたことだろう。選手もファンも、池江さんが元気な姿でカムバックして、強い泳ぎを見せてくれることをみんなが願っている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)