[女子ワールドカップ・フランス]決勝トーナメント1回戦/6月26日/日本1−2オランダ/ロアゾン・パルク(フランス・レンヌ)
 
 なでしこジャパンこと日本女子代表は6月26日(日本時間)、女子ワールドカップの決勝トーナメント1回戦でオランダと対戦。1−2で敗れ、3大会連続のベスト8進出とはならなかった。
 
 オランダ戦で露呈したのは、決定力不足だった。日本は12本のシュートを放ちながら、枠内に飛んだのは4本で、そのうちネットを揺らしたのは、わずか1本にとどまった。
 
 43分(ゴールシーン)の崩しと長谷川唯のゴールは見事だったが、20分に相手ペナルティエリア内に抜け出した菅澤優衣香のシュートは右ポストに当たり、79分に後方から攻め上がった杉田妃和のシュートもクロスバーに弾かれた。
 
 度々の決定機をフイにしてなかなか追加点を取れずにいると、終盤の87分に痛恨のPKを献上する。これで決勝ゴールを与え、万事休す。過去2大会連続で決勝進出していた日本は、ラウンド16で姿を大会から姿を消すことになったのだ。
 
 オランダ戦だけでなく今大会を振り返れば、いずれの試合もフィニッシュの課題に悩まされていた(大会前からひとつの懸念材料だった)。通算わずか3ゴールという数字が精度の低さを物語っている。

 エースの岩渕真奈が「チャンスの数もあったが負けは負け」と言い、その岩渕と2トップを組んだ菅澤が「試合重ねるごとに、人数をかけたバリエーションある攻撃ができるようになった。今日も出せたが最後決めきることができなかった」と悔やめば、「決め切る力でいうと、チャンスはあったので、そこを決め切れていれば……。そういうところはほかの国との差かなと思います」と全4試合に出場したボランチ三浦成美も同調する。
 
 選手が言うようにチャンスがなかったわけではない。むしろ多いくらいだろう。実際、今大会の4試合はいずれもシュートチャンスの数は相手よりも下回っていない。初戦のアルゼンチン戦は8本(相手は5本)、グループ最大のライバルだったイングランド戦も16本(相手は14本)。2ゴールを奪ったスコットランド戦では18本(相手は12本)と、数多くのシュートチャンスを作っている。
 
 ところが枠内を捉えたのは、アルゼンチン戦3本、スコットランド戦6本、イングランド戦5本、オランダ戦も合わせて計算すると、計54本中18本。全シュート数のたった3割だ。しかも得点につながったのは、そのうち3本のみ。
 
 高倉麻子監督は、「修正力を重視して選手を選んだ」と今大会の23名を選んだが、結局最後まで課題を改善できなかった。
 
構成●サッカーダイジェスト編集部