by henry perks

Googleマップ上にはレストランや商業施設などの店舗情報およびレビュー、星評価(ビジネスプロフィール)が表示されていますが、推定で1100万件分のビジネスプロフィールは間違った情報を含んでいたり、詐欺行為に利用されていたりするとウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。

Millions of Business Listings on Google Maps Are Fake-and Google Profits - WSJ

https://www.wsj.com/articles/google-maps-littered-with-fake-business-listings-harming-consumers-and-competitors-11561042283



WSJ: Google Maps is flooded with 'millions' of fake business listings (updated)

https://www.engadget.com/2019/06/20/wsj-google-maps-is-filled-with-fake-business-listings/

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Googleマップ上に登録された住所や電話番号が間違ったものとなっている理由は、競合企業による妨害行為によるものであったり、詐欺師が合法的な企業になりすますために使用していたりするためだそうです。実際にGoogleマップ上に登録されているビジネスプロフィールを頼りに修理サービスを利用したところ、詐欺師により従来の修理費の2倍もの額を請求されたという事例もある模様。

Googleにビジネスプロフィールを登録する「Googleマイビジネス」を悪用した詐欺は、2018年11月の時点で存在しました。

Googleの検索結果に店舗情報を表示する「Googleマイビジネス」を悪用した詐欺が登場 - GIGAZINE



この報道に対して、Googleは偽のビジネスプロフィールを削除するために努力していることをアピールするブログを投稿しています。

How we fight fake business profiles on Google Maps

https://www.blog.google/products/maps/how-we-fight-fake-business-profiles-google-maps/



Googleは絶えず進化してきたさまざまな手動および自動のシステムを用いて、これまで偽のビジネスプロフィールを登録しようとする人々と戦ってきたそうです。ただし、Googleマップのビジネスプロフィールを悪用しようとする詐欺師は記事作成時点でも大勢いるため、どのような手法で偽情報を削除してきたのかについての詳細は明かせないとしています。

Googleはビジネスプロフィールに関する厳格なポリシーを設けており、このポリシーに違反したプロファイルを削除するためのチームも存在することを明かしています。その結果、2018年には300万件以上の偽のビジネスプロフィールが削除され、その90%はGoogleマップユーザーが情報を見る前の段階で削除されたとのこと。加えて、Googleの内部システムがビジネスプロフィール削除の85%を担っていたこと、削除されたビジネスプロフィールのうちわずか25万件のみがユーザーから報告されたものであったこと、そして偽情報を登録するなどしたアカウント15万件超を無効にしたことなどを明かしています。



by Yucel Moran

記事作成時点で、Googleにビジネスプロフィールを登録するには、ビジネスの名称や電話番号、住所などをウェブ上から入力し、ハガキを用いたビジネスのオーナー確認を行うだけでOKです。そのため、類似サービスのWhitepages上には2500万件分のビジネス情報が登録されているのに対して、より手軽に登録可能なGoogleマイビジネスには1億5000万件以上のビジネス情報が登録されています。しかし、この手軽な登録方法により、Googleは偽情報の扱いに苦労させられているわけです。

なお、Googleはビジネスプロフィール上の偽情報をより効果的に削除していくため、個々のビジネスプロフィールに削除フラグを立てることができるようにしたり、ビジネス救済フォームから一度に複数のビジネスプロフィールを報告できるようにしたりしています。