スコットランド戦の前日会見で高倉監督が意気込み 「選手たちは少しがっかりしたと思うが…」

 なでしこジャパン(日本女子代表)の高倉麻子監督は、フランスで開催中の女子ワールドカップ(W杯)第2戦スコットランド戦の前日記者会見で、「より積極的にゴールを目指すことは強調したい」と、勝ち点3が必要なゲームへの意気込みを語った。

 なでしこジャパンの初戦は現地時間10日のアルゼンチン戦だったが、人数をかけて守備ブロックを形成した相手を崩し切れず、ボール保持率の高さの割にゴール前へ侵入する回数が少なかった。その結果、0-0の引き分けで勝ち点1の獲得にとどまった。スコットランドはイングランドとの“英国対決”に1-2で敗れただけに、この第2戦は双方がグループ2位以内で確実に決勝トーナメント進出を果たすために、勝利が欲しい大一番となる。

 初戦を終えたなでしこジャパンの課題は、やはり攻撃面ということになる。高倉監督は初戦からの臨戦過程について「残念ながら勝ち点1という結果になった。選手たちは少しがっかりしたと思うが、すぐに切り替えて次に向かってくれている。点が取れなかったこともあるので、みんなのアイデアをつなげようと言ってきた。点を取るために必要なことは、ミーティングやトレーニングでも話した。まだ始まったばかりで、気持ち的に落ちてしまうのが一番嫌なこと」と話している。

 英国勢との対戦ともあって、英メディアからも質問が飛ぶなかでゲームプランを問われた高倉監督は、「ここであまり言うとバレてしまう」と冗談めかしたが、個々の能力を存分に発揮するという基本的なプランは変わらないことを話している。

「選手が持つ能力や閃きは、ずっと大事にしてきた」

「個性の違った選手が揃っているので、チームの狙いを共有したなかで一人ひとりの光るものを出してもらえれば。その辺の選手が持つ能力や閃きは、ずっと大事にしてきた。チームの決まりごとの中で、より積極的にゴールを目指すことは強調したい。選手には考える力がついてきている。個々の状況を変える力をこの場で発揮できるのを待つというか、誰が試合への、勝利への強い執念を出してくれるかがカギになる」

 今大会を見れば、欧州勢の強さが際立っている。ここまで、欧州勢と他地域のチームが対戦した試合は欧州勢が全勝しており、なでしこジャパンにとって簡単な試合ではない。それでも、2011年のドイツ大会で優勝して一躍世界に名を轟かせ、3大会連続の決勝進出を狙うチームとすれば間違いなく勝利を得なければいけないゲームだ。初戦で停滞した攻撃陣は、個々のアイデアが融合した小気味の良い崩しを、スコットランド戦で見せることができるだろうか。(Football ZONE web編集部)