by Jonathan Kemper

アメリカのトランプ大統領が「情報通信上のリスクがある外国製品の取引を禁止する」という大統領令に署名したことから、アメリカで中国の電子機器メーカーであるHuawei製の製品を排斥する動きが続いています。GoogleがHuaweiのAndroidサポートを停止し、IntelやQualcommもHuaweiとの取引を停止。さらに、Microsoftは自社のオンラインストアからHuawei製品を削除しています。そんな中、新たにSDカードなどの規格を策定する規格団体のSDアソシエーションがHuaweiをメンバー企業から除籍したことが判明。これにより、Huaweiは事実上今後リリースする予定のスマートフォンやノートPCでmicroSDおよびSDカードをサポートすることができなくなっています。

Huawei can’t officially use microSD cards in its phones going forward - The Verge

https://www.theverge.com/2019/5/24/18638539/huawei-microsd-card-sd-association-us-trump-ban

Huawei can't use microSD cards in its smartphones w/ ban - 9to5Google

https://9to5google.com/2019/05/24/huawei-microsd-cards-ban/

Android AuthorityがSDアソシエーションに確認したところによると、トランプ大統領による大統領令を受けて、SDアソシエーションはメンバー企業の中からHuaweiを除籍したそうです。なお、HuaweiはAndroid Authorityに対して、「既存の端末ではこれまで同様にmicroSDが動作します」と回答したそうです。

スマートフォンで使用するmicroSDカードや、ノートPCやカメラなどで使用されるSDカードなどの「SD規格」を利用した製品を企画・開発する企業は、SDアソシエーションの会員となる必要があると義務付けられています。そのため、SDアソシエーションから除籍させられたHuaweiは、今後SD規格をサポートするスマートフォンやノートPCといった電子機器を開発することができなくなる可能性があります。

SDアソシエーションへの加入 - SDアソシエーション

https://www.sdcard.org/jp/join/index.html



また、Wi-Fi規格を策定する規格団体のWi-Fi Allianceが、アメリカの大統領令を受けて「一時的に制限した」ことを表明したとNikkei Asian Reviewが報じています。加えて、Huaweiが自主的に半導体業界の事業者団体であるJEDECから脱退したことも報じられています。

ただし、記事作成時点ではWi-Fi Allianceの会員企業の欄には「Huawei」の名前が残ったままです。

Member Companies | Wi-Fi Alliance

https://www.wi-fi.org/membership/member-companies?title=Huawei



なお、microSDカードが使用できなくなる可能性に備え、Huaweiは独自開発中の「NMカード」を新しい端末で採用する可能性があります。

microSDカードより小さい「NMカード(ナノメモリーカード)」をHuaweiが発表 - GIGAZINE