日本政府は6日、韓国が自国の造船企業に国際ルールに違反する過剰な公的支援を行っているとして、世界貿易機関(WTO)に近く提訴する方針を示した。中国メディアの快資訊は8日、日本が韓国をWTOに提訴しようとしているとする記事を掲載した。

 問題視されているのは、韓国政府の「大宇造船海洋」に対する支援で、日本政府はこれまで「市場をゆがめている」と是正を求めてきたが、韓国側がこれに応じなかったため、韓国政府に対し2国間協議を要請することになるという。これが決裂した場合、WTOの紛争処理小委員会の設置を求めることになる。

 記事は、韓国の造船業が比較的順調だった2008年のリーマンショック以前に生産を増やしていたため、世界的な供給過多に陥ったと指摘。2015年以降、経営危機に陥った大宇造船海洋に対し、1兆2000億円規模の金融支援を実施したことで、熾烈な価格競争で日本の造船企業は不利となり、日本企業の経営を悪化させたと説明。過去に行われた日韓の政府間協議でも日本は見直しを要求したものの、韓国政府はこれを拒否、金融援助は金融機関独自の判断だったと伝えた。

 今回、日本がWTOに提訴すれば、韓国政府と係争する案件は4件目となる。すでに提訴した案件は、原発事故に伴う日本産の水産物の輸入規制、ステンレス棒鋼関税、空気圧伝送バルブに対する反ダンピング措置の3つだ。これに加え、先日、新日鉄住金に賠償を命じる判決を韓国大法院(最高裁)が言い渡したことに、日本政府が抗議した件にも触れ、問題の性質は異なるとしつつも、日本政府の目的は「国際社会に対して韓国大法院(最高裁)の決定が違法」で、「韓国が間違っている」という印象を与えることだと記事は主張している。

 記事の内容は韓国に同情的で、日本政府が印象操作をしようとしているとの主張を展開している。日本はWTOに対して韓国に関する件で提訴しすぎていると感じているようだが、そうせざるを得ないようなことを韓国がたびたび行っているということではないだろうか。この件が提訴することになった際には、公平な判断を期待したい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)