[10.28 AFC U-19選手権準々決勝 U-19日本代表 2-0 U-19インドネシア代表]
本人も衝撃のスーパーゴールだった。U-20W杯出場権を懸けた大一番の準々決勝でU-19日本代表の左サイドバックを担う00年組のDF東俊希(広島ユース)が勝負強さを見せた。
前半40分、MF伊藤洋輝(磐田)からパスを受けた東は相手の寄せの甘さを見て、ワンタッチから思い切りよく左足を一閃。「あそこのポジションは空いてると思っていて、自分が入ってボールを持ったら打とうと決めていた」。約25mの強烈なミドルシュートをゴール右上隅に突き刺した。
「打って入ってびっくりしています」。中学まではFWやSHが本職だった東は攻撃スキルが高く、左足から繰り出す高精度のクロスを武器とするレフティー。U-19日本代表はFW久保建英(横浜FM)、伊藤らがグループリーグでスーパーゴールを挙げてきたが、ここ一番で“伏兵”が輝いた。
チームメイトや指揮官にとっても衝撃のゴールだった。主将のMF齊藤未月(湘南)が「僕もびっくりしましたし、俊希もびっくりしていました。本当にうれしかったですね」と振り返れば、影山雅永監督も「ああいう武器をこの舞台で発揮できること。心臓が強いし、強気だし、落ち着いているし、いろいろな意味でいい得点だった」と称賛した。
60,154人の大観衆がスタジアムを埋めた完全アウェー。地元サポーターの大声援と熱気に飲まれる可能性もあった中、チームに落ち着きをもたらす貴重な先制点だった。守っては苦しい時間帯もDF陣と連携して耐え、無失点に貢献した。
「完全アウェーの大観衆の中でプレーできたことはとても大きい」。ポーランド切符を懸けた大一番が、A代表でしか経験できないような6万大観衆の超絶アウェーとあって、将来A代表入りを目指す選手にとっては貴重な経験の場となった。大舞台で強心臓ぶりを見せた東は「アウェーの中でもあまりプレッシャーにはならなかったので、どんな環境でもプレースタイルが変わらないようにしていきたい」と今後につながる自信を得た。
(取材・文 佐藤亜希子)
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