中国では日本に対して反感を持つ人が存在し、中国のネット上でも日本を罵る声が数多くみられるのが現状だ。しかし、日本を罵る声は必ずしもその中国人の本心を示しているわけではなく、口では日本を罵りながらも、実際は日本を旅行で訪れたがる中国人も少なくないようだ。

 中国メディアの快資訊はこのほど、中国国内では「日本製品のボイコット」や「日本旅行のボイコット」を呼びかける人が数多く存在することを指摘する一方で、それでも多くの中国人が日本を旅行で訪れる理由について考察している。

 記事は、一部の中国人は口でこそ「日本のボイコット」を主張しつつも、実際には日本への旅行を好んでいるという人が少なからず存在することを強調したうえで、なぜこのような現象が起きるのかと疑問を投げかけ、その理由は主に3点に集約することができると主張した。

 まず、1点目としては中国と日本は地理的に近いために旅行で訪れやすく、欧米に行くよりもコスト的にも安く済むことを挙げ、さらに2点目として日本の治安の良さを挙げた。日本の犯罪率の低さは当然中国でも広く知られており、初めての海外旅行でも安心して過ごすことができるのは大きな魅力であることを指摘した。

 さらに3点目として、日本のサービスの質の高さを挙げ、微笑みを絶やさずに接客、対応してくれる日本人の配慮や心配りは中国ではなかなか体験できないものであり、それだけでも日本を訪れる価値があると指摘。また、中国人にとって国外旅行の主な目的は今なお「買い物」であるものの、日本では偽物や海賊品をつかまされる可能性はほぼ皆無であり、商品に問題があった場合は誠実に対応してもらえることも日本を訪れたくなる理由だとした。

 記事は、そもそも旅行と愛国は「まったく別のもの」であり、その両者を無理やり結びつけようとすることが問題なのだとし、仮に歴史問題を理由に日本が嫌いであっても日本のすべてを否定する必要はないと指摘。口では日本を罵りながらも、実際は日本を旅行で訪れたがる中国人が存在することに寛容となるべきだと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)