株式会社ジャストシステムは2018年2月8日、「動画&動画広告 月次定点調査(2018年1月度)」の結果を発表した。
今回の調査は、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp」において、ネットリサーチサービス「Fastask」を利用し、15歳〜69歳の男女1,100名を対象に実施している。

■約6割が「YouTuberによる動画」の視聴経験あり
動画と言えば、真っ先に思い浮かぶのがYouTubeだ。
いったい、どれくらいの人が「YouTuberによる動画」を見たことがあるのだろうか?

調査によると、「YouTuberの動画を見たことがある」と回答した人は60.9%で、2014年7月の調査時25.9%から大幅に増加した。
しかし、「YouTuberという存在を知っているが、動画は見たことがない」人も33.5%と、2014年7月の調査時16.5%から同じように増えている。YouTuberを知っていても、見るアクションを起こさない人の割合も一定数いることがわかる。





■10代の半数近くがYouTuberに好印象
YouTuberといえば、今や、若者たちのあこがれの職業だ。
YouTuberに好印象を持っている人は、どのくらい、いるのだろうか?

YouTuberを知っている人のうち、YouTuberに「良い印象を持っている」人は8.0%、「やや良い印象を持っている」人は12.6%で、あわせて20.6%の人が良い印象を持っている。

年代別に見てみると、
10代は
・「良い印象を持っている」人は28.0%
・「やや良い印象を持っている」人は19.4%

60代は
・「良い印象を持っている」人は2.7%
・「やや良い印象を持っている」人は7.1%

10代の半数近くがYouTuberに好印象だが、60代で好印象を持つ人は1割以下。若い人ほど良い印象を持っている。

10代は、物心つく頃にはスマホがあり、日頃からスマホで動画を見て育ったスマホ世代。
YouTubeは当たり前の存在で、そこで活躍するYouTuberに好感を持つのも当然なのかもしれない。
一方、60代は、スマホを使っている人は多くなったが、YouTubeを知ったのも、YouTuberという職業を知ったのも近年ということもあり、まだまだ馴染まないという人も多いのかも知れない。







■レシピ動画の利用率は、30代で4割超え
さて、動画で人気があるといえば、レシピ動画だ。
レシピ動画の利用率は、どれくらいなのだろうか?

スマートフォンで動画を視聴している人のうち、31.1%が「レシピ動画アプリを利用している」と回答した。

最も利用しているのは、
・30代 43.2%
・20代 36.9%
・50代 32.6%

レシピ動画は、20代、30代の若い世代だけでなく、50代でも頻繁に利用されている。




■約7割が「クックパッド」を愛用
レシピ動画利用者は、どの動画を見ているのだろうか?

・「クックパッド」を利用している人は69.3%
・「DELISH KITCHEN」を利用している人は55.9%
・「クラシル」は48.0%

レシピ動画アプリを利用している人のうち、「クックパッド」を利用している人は69.3%で、2017年7月度調査時の60.0%から10ポイント近く増加。また、「DELISH KITCHEN」を利用している人は55.9%、「クラシル」は48.0%となった。

レシピ動画というと、ネットの評判では「DELISH KITCHEN」と「クラシル」が人気だが、今回の調査では、老舗の「クックパッド」の利用者が両サイトを上回った。





■電車内の動画広告に約2割が興味
最近では、電車内でも動画広告が多く流れるようになった。
電車内の動画広告について、どう感じているのだろうか?

電車内での放送動画広告(CM)について、
・「見たことがあり、内容に興味を感じたことがある」人は19.2%
・「見たことはあるが、興味を持ったことはない」人は31.8%

電車の駅(柱や壁)で展開される動画広告について、
・「見たことがあり、内容に興味を感じたことがある」人は13.6%
・「見たことはあるが、興味を持ったことはない」人は33.2%






今回の調査結果から、10代、20代の若者世代は、YouTubeとYouTuberに対して、好印象を持っていることが改めて確認できたと言える。
一方、レシピ動画は、20代、30代が高く全体の約4割を占めている。しかし、ほかの年代でも一定の視聴がされており、広い年代で受け入れられているといえる。

動画広告については、電車や駅だけでなく、街中でもデジタルサイネージが設置され増えている。
既存の静止画像やポスターなどの広告に比べて目がつきやすい。
とはいえ、まだ広告内容にまで見る人を引き込むまでにいたっておらず、コンテンツの品質向上に課題がありそうだ。


ITライフハック 関口哲司