(台北 2日 中央社)新年の幕開けを祝う恒例イベント、台北101の花火ショーでは今年、約14万球のLEDを使用した巨大網形状装飾「TPAD」が初めて導入され、花火と映像を融合させた多彩な演出が行われた。台北101の劉家豪・広報責任者は2日までに中央社の取材に対し、TPADに対する好意的な反響を受けて、次回の花火でのTPADの採用を検討する方針を明らかにした。

台北101は今回、環境保護を考慮し、花火の打ち上げ本数を1万6000発程度に削減。ピーク時の3万発余りから半減させた。花火の数を減らす一方で、TPADをビルの35階から90階までの外壁に設置することで、従来とは一味変わったショーに仕上げた。

TPADによる演出は日付が変わる1分前から約6分間にわたって実施。台湾の伝統的な建築デザインの要素や昨年のユニバーシアード台北大会の金メダリストの陰影などが映し出され、花火に彩りを添えた。

今回の花火ショーに見物客からは「過去最長というだけでなく、過去最高の出来栄え」と称賛の声が多く寄せられ、TPADも好評だったという。

また、TPADは昨年12月初頭から点灯を開始し、一般市民から寄せられた願い事やクリスマスツリーを映し出すなどして広く活用された。劉氏によれば、今回の花火ショーの開催費用は6000万台湾元(約2億2800万円)を超える。だが、TPADを通じて予想を上回る広告効果が生まれ、赤字にはならなかったという。

劉氏は来年の花火ショーについて、TPADを引き続き採用することを検討した上で、新たな要素やアイデアを盛り込むと説明。花火の打ち上げ本数はさらなる削減で合意を得ているものの、具体的な数は決まっていないと明かした。

(朱則イ/編集:名切千絵)