映画『百円の恋』の監督・武正晴と脚本家・足立紳が再びタッグを組んだ映画『嘘八百』の完成披露試写会が12月12日(火)大阪・TOHOシネマズなんばで行われた。舞台挨拶では主演の中井貴一と佐々木蔵之介が登壇した。

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映画『嘘八百』は大阪・堺を舞台に大御所鑑定士に一杯食わされた古物商・小池則夫(中井貴一)と陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)がタッグを組んで「幻の利休の茶器」を仕立て、仕返しで一攫千金を狙うという物語。映画は来年1月5日(金)公開予定されている。

司会の紹介から壇上に上がった2人。ところがそこには中井の姿はなく、本作にも出演しているお笑い芸人・坂田利夫と佐々木が登場。坂田が「中井貴一でございます」と挨拶。贋作(がんさく)がテーマである本作にちなみ偽中井として観客の笑いを誘った。佐々木も「昨日からキャンペーンで一緒ですけど、何かが違いますね」と苦笑い。そして、「本物」の中井貴一も呼ばれて登壇し「芸歴36年のなかで師匠と共演できて最高でした」と挨拶すると、坂田は「心から『あーりがーとさーん』ですわ」とお馴染みのギャグで答えた。

本作の撮影で中井は「たくさんの先輩方と共演して『老いる』こともまんざら捨てたものじゃない。チャーミングに歳をとることを勉強させてもらった」と振り返る。坂田をアップで撮影しているときに、セリフを言うタイミングを陰から助監督が坂田の太ももを叩いて合図することになったという。しかし、いざ撮影が始まり合図があると「僕やね?」と言って確認してしまいNGになったエピソードを語った。中井は「人間というのは笑かそうとしたらダメということを知った、師匠の存在が可笑しい。師匠が現場にいるだけで和むんですよ」と坂田の人柄に触れた。

また、佐々木も「今も舞台袖で打ち合わせをしていたら師匠がどんどん人のいないところに行ってしまった。それも笑わせようとかではないですよね」と坂田に振ると「自然に出たギャグやね」と照れるように答えた。(関西ウォーカー・関西ウォーカー編集部/ライター桜井 賢太郎)