by Blogtrepreneur

FBIからの「海外サーバーに保存されたメールを引き渡すように」という捜査令状にGoogleが従わず、裁判になっていた件で、地方裁判所に続いて控訴裁判所でもGoogleにデータ引き渡しを命じる判決が出たのですが、Googleがこれを無視しているということで、司法省が制裁を行う意向を示しています。

Justice Department goes nuclear on Google in search warrant fight | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2017/09/justice-department-goes-nuclear-on-google-in-search-warrant-fight/



裁判のきっかけは、アメリカ国内での詐欺事件の捜査で、FBIがGoogleの海外サーバーに保存されたメール22件のデータ引き渡しを求めたことでした。GoogleがFBIからの捜査令状に従うことを拒否したため、フィラデルフィア地方裁判所で裁判が行われ、2017年2月、「GoogleはFBIにメールを引き渡すように」という判決が下りました。

海外サーバーに保管されたEメールデータをFBIに引き渡し ― Googleのケースに判決下る | TechCrunch Japan

http://jp.techcrunch.com/2017/02/06/20170204google-told-to-hand-over-foreign-emails-in-fbi-search-warrant-ruling/

米地裁がグーグルに海外メールの提出指示、前判決と異なる判断

http://jp.reuters.com/article/google-usa-warrant-idJPKBN15L04T

Googleはこの判決を不服として控訴しましたが、2017年8月、第9巡回区控訴裁判所でもフィラデルフィア地裁と同じ判決が下りました。ところが、Googleは裁判所からの命令を1カ月にわたって無視。とうとう、司法省が動いた、というわけです。

実は同様の裁判は2016年にも起きていました。このときの当事者はMicrosoftで、第1審でデータの引き渡しを命じる判決が出ましたが、これを拒否して控訴。第2巡回区控訴裁判所から「海外のサーバーに保存されているデータの開示は当局に強制されるものではない」という判決を勝ち取っています。

Googleは、今回の事例はMicrosoftのときと同じで、第2巡回区控訴裁判所の出した判決と異なるのはおかしいと主張してきました。

司法省によると、個人であれば裁判所命令を遵守することが定められているため、もし命令を無視する場合は即禁固刑になるものの、法人に対しては裁判所命令に従わないことが明示的に禁じられているわけではないので、制裁措置は罰金になるとのことです。