豪州戦に向け「最悪の想定は頭によぎると思う。でも…」

 オーストラリアとの決戦では、プレミアリーグ級に相手を威圧するような声援を――。

 レスター・シティで開幕2戦連続ゴールを挙げたFW岡崎慎司が、埼玉スタジアム2002に詰めかける約6万人のファンの“熱狂的応援”を受けて勝利をもぎ取ると宣言した。

 31日に行われるロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選オーストラリア戦は、勝てばW杯切符獲得となる重要な一戦だ。ただし対戦相手はグループBで出場権争いを繰り広げるオーストラリア。ここでもし勝ち点3を奪えないと、最終戦の敵地サウジアラビア戦(9月5日)で決めなければならない、厳しい状況に陥る。

 その状況について問われると、2014年ブラジルW杯予選経験者である岡崎はこう口にした。

「前回のオーストラリア戦では同じ状況だった(1-1のドローで出場権獲得)。あそこで負けていたら、イラク戦は大変な試合になった。最悪の想定は頭によぎると思う。でも、たくさんの人が見ている。そういうパワーは必ず力になると思う」

 そういうパワーとは声援だ。ファンの想いが流れを大きく変える。岡崎は今季すでに経験済みだ。それはアーセナルとのプレミア開幕戦でのこと。自らの同点ゴールや頼れる相棒FWジェイミー・バーディの2得点もあり、3-2とレスターが試合をひっくり返す展開となったが、アーセナルサポーターの声援を受けたホームチームは終盤に2点を奪い逆転。岡崎にとって悔しい敗戦となった一方で、声の力を再認識した。

「日本のスタジアムはすごい熱量」

 約6万人が詰めかけたエミレーツ・スタジアムの熱量について「初めて見た時はすごいと思った」と話しつつも、「それとは別物」と日本サポーターの声援も大きなアドバンテージになるとしている。

「日本のスタジアムは本当にすごい熱力で一体感がある。今までやってきたスタジアムだけど、今まで以上に盛り上がるはず。自分自身も勝手に興奮してくるだろうし」

 モチベーションを上げるスイッチとなるサポーターの声。埼玉スタジアム2002の四方八方から聞こえてくるからこそ、積極的な戦いを見せたいとも考えている。

「弱気にならずに強気に前向きに戦っていかないといけない。ビビらずに前から行くのが必要になる。オーストラリアに守りきる考えは難しい。自分たちの持っている力をぶつける。それで勝ってW杯に行く資格があると見せないと」

 6万人の声援に応え、攻めきった先にロシアの道がある。ファンとともに戦うことで、岡崎は6大会連続出場をつかみ取ると誓った。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images