2016年12月、世界初のバーチャルホームロボット「Gatebox」が、限定300台、日本と米国で予約販売が開始された。
価格は、29万8,000円(税別)。
ハイエンドノートPCが買えるほどの価格ながら、限定数はすでに完売。
予約開始後、5日で200台の予約が入り、300台が完売するまで1カ月も経たなかったという。
世界初となるバーチャルホームロボット「Gatebox」への期待と、人気がうかがえる。
予約できた人は、2017年12月以降、順次発送される予定だ。
世界初のバーチャルホームロボット「Gatebox」の魅力は、どこにあるのか?
Gatebox株式会社代表取締役の武地実氏に開発秘話や今後の展開についてうかがった。
■好きなキャラクターと一緒に暮らせる夢の装置
「Gatebox」は、好きなキャラクターと一緒に暮らせる。そんな夢のような装置だ。
「Gatebox」は、最新のプロジェクション技術とセンシング技術を組み合わせることで、キャラクターをボックス内に呼び出し、コミュニケーションをとることができる。
「Gatebox」のキャラクターに話し掛ける武地社長
「Gatebox」は、
・Projection
・Sensing
・Talk
・Network
という、4つのテクノロジーによって構成されている。
Projectionは、
単焦点のリアプロジェクション投影技術によって、ボックス内にキャラクターを呼び出す。
ホログラムのようにキャラクターを表示させる要の部分である。
Sensingは、
カメラや人感センサーなど、各種センサーを通して、ご主人様(ユーザー)の顔や動きを認識する。
Talkは、
タッチボタン「G」をトリガーとして、キャラクターとの音声対話ができる。
タッチボタンをトリガーにした理由は、外部ノイズによる誤認識を防ぐためだという。
Networkは、
Wi-Fiや赤外線などによって、インターネット、スマートフォン、家電との接続を実現する。
通信を使うことで、天気情報を伝えたり、テレビをつけたり、IoT機器のように日常生活をサポートしたりすることができる。
タッチボタン「G」をトリガーとして、キャラクターとの音声対応ができる
デモンストレーション動画を見ると、「Gatebox」の凄さをうかがい知ることができる。
また、2016年1月に公開されたコンセプトモデルの動画「Gatebox - Virtual Home Robot [ConceptMovie1st]」は、24時間で10万再生を超えている。コンセプト動画は英語版も公開されており、海外の視聴者からも多くのコメントが寄せられた。
すべての動画の視聴数を合算すると、原稿執筆時で約340万回の視聴がされたことになる。
「Gatebox」は、日本に止まらず、海外でも注目されているのだ。
・Gatebox - Virtual Home Robot [PV]
■「キャラクターGatebox」の「逢妻ヒカリ(あづまひかり)」とは?
「Gatebox」は、オリジナルのキャラクター「逢妻ヒカリ(あづまひかり)」が、プレインストールされている。
「逢妻ヒカリ」のキャラクターデザインは、「ときめきメモリアル」や「ラブプラス」のキャラクターデザインで知られる、箕星太朗氏。
「逢妻ヒカリ」は、ご主人様(ユーザー)をサポートする癒し系キャラという設定で、デザインしたとのこと。
「Gatebox」にプロジェクション投影される「逢妻ヒカリ」は、背景が透けるため、まるでホログラム映像のようにも見える。
ご主人様をサポートする癒し系キャラ「逢妻ヒカリ(あづまひかり)」
この「逢妻ヒカリ」は、ユーザーが「Gatebox」の世界に入り込みやすいように、
・年齢や体重
・趣味
など、キャラクターの特性が細かく設定されている。
なかなか作り込まれた「キャラクター設定」だ
●「Gatebox」と「逢妻ヒカリ」は、ユーザーに何を与えるのか?
ユーザーは、「逢妻ヒカリ」と、デフォルトで3つのコミュニケーションを体験することができる。
1.アクティブ・コミュニケーション
2.トーク・コミュニケーション
3.チャット・コミュニケーション
アクティブ・コミュニケーションは、「逢妻ヒカリ」から、ご主人様(ユーザー)に話しかけるコミュニケーションだ。
アラーム機能を利用すれば、
「起きてくださーい」
「ねぇ、起きてってばー。」
「おはよう」
などと、Gateboxの「逢妻ヒカリ」が話しかけて、起こしてくれる。
Gateboxの「逢妻ヒカリ」が、ご主人様(ユーザー)に話しかけるアクティブ・コミュニケーション
トーク・コミュニケーションは、ご主人様(ユーザー)が、Gateboxの「逢妻ヒカリ」に話しかけた際、天気予報などを返答するなどのコミュニケーションだ。
ご主人様(ユーザー)からの話しかけに、返事をするトーク・コミュニケーション
チャット・コミュニケーションは、ご主人様(ユーザー)と「逢妻ヒカリ」がチャットをやり取りするものだ。
外出時でも、キャラクターとコミュニケーションがとれる。
ご主人様(ユーザー)と「逢妻ヒカリ」がチャットでやり取りする、チャット・コミュニケーション
■好きなキャラクターと一緒に暮らしたかった- 武地社長
「Gatebox」は、これまでにはない、独走的で画期的な「装置」だ。
この世界初の「装置 Gatebox」は、どういう経緯で開発に至ったのだろう?
武地社長に直接うかがったところ、
「好きなキャラクターと一緒に暮らしたかったからです。」
との答えが返ってきた。
「Gatebox」の構想を思いついたのは、今から2年前のこと。
当時、筆者がIT系イベントで、武地社長にお話しをうかがったときにも、非常に画期的なアイデアだと感じた。
武地社長は、それからわずか2年という短期間で「Gatebox」の試作機を作りあげた。
新規プロダクトとしては、非常に早い開発だ。
しかし、武地社長は「もう少し早く開発したかったです。」と、決して満足してはいない。
Gatebox株式会社代表取締役の武地実氏
「Gatebox」を具現化する上で、苦労した点を武地社長は、
「この大きさに収めるのは大変でした。」と、語る。
キャラクターの「逢妻ヒカリ」を表示させるリアプロジェクション技術は、元々は野外ライブのパフォーマンス向けの技術だった。つまり、本来は大型の装置であったのだ。
それをテーブルに載せられるほどの大きさまで小型化するために、試行錯誤と努力を重ねてきたという。
「Gatebox」では、キャラクター「逢妻ヒカリ」を表示させるリアプロジェクション技術の小型化に苦心した
そうした努力の結果、「Gatebox」は、ミドルクラスのデスクトップPCとほぼ同じ、幅220×奥行き360×高さ520mm、重さ5kgを実現した。設置面積を、わずかA4サイズに抑えたのだ。
「Gatebox」はキャラクターの「逢妻ヒカリ」とコミュニケーションがとれるだけでなく、家電を操作する赤外線リモコン機能も備えている。
発光パターンをGateboxに教えることで、テレビやエアコンの操作をGateboxからできるようになるという。
デモンストレーションでは、武地社長の音声で、部屋の照明をオン/オフできていた。
また、赤外線リモコンで操作できる家電であれば、その信号を「Gatebox」に学習させることができるという。
リモコンの発光パターンを学習させれば、テレビやエアコンを「Gatebox」から操作できるようになるという。
「Gatebox」の上面には、赤外線を出す発光ダイオードが配置されている
武地社長は、つい最近、「Gatebox」とスマートフォン間における「デバイスをまたいだキャラクターとの対話技術」に関する特許を取得したという。
この特許は、「ユーザーがGatebox本体のキャラクターと直接会話した内容と、スマートフォンのチャットアプリ上でやり取りした内容が連動する」という対話技術に関するものだ。
具体的には、
「Gatebox」を通して直接行われる音声による会話データと、チャットアプリ上のテキストによる会話データをクラウド上で解析し、デバイスをまたいでキャラクターとの自然な会話を実現するというもの。
今後は、同特許技術を「Gatebox」の品質向上と、同社が目指す「キャラクターとの共同生活」の実現に向けて、活用していくとしている。
今後の展開を武地社長にうかがったところ、
「限定300台の出荷に対応するため、量産体制を確立させたい。
さらに次期バージョンとなる第二世代の「Gatebox」では、ユーザーがあっと驚くような体験をさせたい」という。
これ以上は、具体的な内容を教えてもらえなかった。
しかし。今までにない画期的なアイデアを取り入れてくると期待したい。
ITライフハック 関口哲司
価格は、29万8,000円(税別)。
ハイエンドノートPCが買えるほどの価格ながら、限定数はすでに完売。
予約開始後、5日で200台の予約が入り、300台が完売するまで1カ月も経たなかったという。
世界初となるバーチャルホームロボット「Gatebox」への期待と、人気がうかがえる。
予約できた人は、2017年12月以降、順次発送される予定だ。
世界初のバーチャルホームロボット「Gatebox」の魅力は、どこにあるのか?
Gatebox株式会社代表取締役の武地実氏に開発秘話や今後の展開についてうかがった。
■好きなキャラクターと一緒に暮らせる夢の装置
「Gatebox」は、好きなキャラクターと一緒に暮らせる。そんな夢のような装置だ。
「Gatebox」は、最新のプロジェクション技術とセンシング技術を組み合わせることで、キャラクターをボックス内に呼び出し、コミュニケーションをとることができる。
「Gatebox」のキャラクターに話し掛ける武地社長
「Gatebox」は、
・Projection
・Sensing
・Talk
・Network
という、4つのテクノロジーによって構成されている。
Projectionは、
単焦点のリアプロジェクション投影技術によって、ボックス内にキャラクターを呼び出す。
ホログラムのようにキャラクターを表示させる要の部分である。
Sensingは、
カメラや人感センサーなど、各種センサーを通して、ご主人様(ユーザー)の顔や動きを認識する。
Talkは、
タッチボタン「G」をトリガーとして、キャラクターとの音声対話ができる。
タッチボタンをトリガーにした理由は、外部ノイズによる誤認識を防ぐためだという。
Networkは、
Wi-Fiや赤外線などによって、インターネット、スマートフォン、家電との接続を実現する。
通信を使うことで、天気情報を伝えたり、テレビをつけたり、IoT機器のように日常生活をサポートしたりすることができる。
タッチボタン「G」をトリガーとして、キャラクターとの音声対応ができる
デモンストレーション動画を見ると、「Gatebox」の凄さをうかがい知ることができる。
また、2016年1月に公開されたコンセプトモデルの動画「Gatebox - Virtual Home Robot [ConceptMovie1st]」は、24時間で10万再生を超えている。コンセプト動画は英語版も公開されており、海外の視聴者からも多くのコメントが寄せられた。
すべての動画の視聴数を合算すると、原稿執筆時で約340万回の視聴がされたことになる。
「Gatebox」は、日本に止まらず、海外でも注目されているのだ。
・Gatebox - Virtual Home Robot [PV]
■「キャラクターGatebox」の「逢妻ヒカリ(あづまひかり)」とは?
「Gatebox」は、オリジナルのキャラクター「逢妻ヒカリ(あづまひかり)」が、プレインストールされている。
「逢妻ヒカリ」のキャラクターデザインは、「ときめきメモリアル」や「ラブプラス」のキャラクターデザインで知られる、箕星太朗氏。
「逢妻ヒカリ」は、ご主人様(ユーザー)をサポートする癒し系キャラという設定で、デザインしたとのこと。
「Gatebox」にプロジェクション投影される「逢妻ヒカリ」は、背景が透けるため、まるでホログラム映像のようにも見える。
ご主人様をサポートする癒し系キャラ「逢妻ヒカリ(あづまひかり)」
この「逢妻ヒカリ」は、ユーザーが「Gatebox」の世界に入り込みやすいように、
・年齢や体重
・趣味
など、キャラクターの特性が細かく設定されている。
なかなか作り込まれた「キャラクター設定」だ
●「Gatebox」と「逢妻ヒカリ」は、ユーザーに何を与えるのか?
ユーザーは、「逢妻ヒカリ」と、デフォルトで3つのコミュニケーションを体験することができる。
1.アクティブ・コミュニケーション
2.トーク・コミュニケーション
3.チャット・コミュニケーション
アクティブ・コミュニケーションは、「逢妻ヒカリ」から、ご主人様(ユーザー)に話しかけるコミュニケーションだ。
アラーム機能を利用すれば、
「起きてくださーい」
「ねぇ、起きてってばー。」
「おはよう」
などと、Gateboxの「逢妻ヒカリ」が話しかけて、起こしてくれる。
Gateboxの「逢妻ヒカリ」が、ご主人様(ユーザー)に話しかけるアクティブ・コミュニケーション
トーク・コミュニケーションは、ご主人様(ユーザー)が、Gateboxの「逢妻ヒカリ」に話しかけた際、天気予報などを返答するなどのコミュニケーションだ。
ご主人様(ユーザー)からの話しかけに、返事をするトーク・コミュニケーション
チャット・コミュニケーションは、ご主人様(ユーザー)と「逢妻ヒカリ」がチャットをやり取りするものだ。
外出時でも、キャラクターとコミュニケーションがとれる。
ご主人様(ユーザー)と「逢妻ヒカリ」がチャットでやり取りする、チャット・コミュニケーション
■好きなキャラクターと一緒に暮らしたかった- 武地社長
「Gatebox」は、これまでにはない、独走的で画期的な「装置」だ。
この世界初の「装置 Gatebox」は、どういう経緯で開発に至ったのだろう?
武地社長に直接うかがったところ、
「好きなキャラクターと一緒に暮らしたかったからです。」
との答えが返ってきた。
「Gatebox」の構想を思いついたのは、今から2年前のこと。
当時、筆者がIT系イベントで、武地社長にお話しをうかがったときにも、非常に画期的なアイデアだと感じた。
武地社長は、それからわずか2年という短期間で「Gatebox」の試作機を作りあげた。
新規プロダクトとしては、非常に早い開発だ。
しかし、武地社長は「もう少し早く開発したかったです。」と、決して満足してはいない。
Gatebox株式会社代表取締役の武地実氏
「Gatebox」を具現化する上で、苦労した点を武地社長は、
「この大きさに収めるのは大変でした。」と、語る。
キャラクターの「逢妻ヒカリ」を表示させるリアプロジェクション技術は、元々は野外ライブのパフォーマンス向けの技術だった。つまり、本来は大型の装置であったのだ。
それをテーブルに載せられるほどの大きさまで小型化するために、試行錯誤と努力を重ねてきたという。
「Gatebox」では、キャラクター「逢妻ヒカリ」を表示させるリアプロジェクション技術の小型化に苦心した
そうした努力の結果、「Gatebox」は、ミドルクラスのデスクトップPCとほぼ同じ、幅220×奥行き360×高さ520mm、重さ5kgを実現した。設置面積を、わずかA4サイズに抑えたのだ。
「Gatebox」はキャラクターの「逢妻ヒカリ」とコミュニケーションがとれるだけでなく、家電を操作する赤外線リモコン機能も備えている。
発光パターンをGateboxに教えることで、テレビやエアコンの操作をGateboxからできるようになるという。
デモンストレーションでは、武地社長の音声で、部屋の照明をオン/オフできていた。
また、赤外線リモコンで操作できる家電であれば、その信号を「Gatebox」に学習させることができるという。
リモコンの発光パターンを学習させれば、テレビやエアコンを「Gatebox」から操作できるようになるという。
「Gatebox」の上面には、赤外線を出す発光ダイオードが配置されている
武地社長は、つい最近、「Gatebox」とスマートフォン間における「デバイスをまたいだキャラクターとの対話技術」に関する特許を取得したという。
この特許は、「ユーザーがGatebox本体のキャラクターと直接会話した内容と、スマートフォンのチャットアプリ上でやり取りした内容が連動する」という対話技術に関するものだ。
具体的には、
「Gatebox」を通して直接行われる音声による会話データと、チャットアプリ上のテキストによる会話データをクラウド上で解析し、デバイスをまたいでキャラクターとの自然な会話を実現するというもの。
今後は、同特許技術を「Gatebox」の品質向上と、同社が目指す「キャラクターとの共同生活」の実現に向けて、活用していくとしている。
今後の展開を武地社長にうかがったところ、
「限定300台の出荷に対応するため、量産体制を確立させたい。
さらに次期バージョンとなる第二世代の「Gatebox」では、ユーザーがあっと驚くような体験をさせたい」という。
これ以上は、具体的な内容を教えてもらえなかった。
しかし。今までにない画期的なアイデアを取り入れてくると期待したい。
ITライフハック 関口哲司