探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情をご紹介。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から解説します! 

浮気がバレた後の夫婦関係、浮気調査のポイントはどこなのかも紹介。

☆☆☆

今回の依頼者は、「私は夫の極悪非道な裏切りが許せないんです!」と涙ながらに電話をしてきてくださった、五十嵐朱里さん(仮名・40歳)。カウンセリングを2時間後に設定し、依頼者・朱里さんがやって来るのを待ちました。

インターフォンが付いているのに、ドアをドンドンと激しく叩く音が響き、驚いてドアスコープから覗くと、朱里さんらしき女性が初老の女性とともに立っています。ショートカットに黒のノースリーブ、美人ですが実年齢より年上に見えます。黒いローファーを脱いでカウンセリングルームに入るとき、チラッと靴下を見たら5本指ソックスでした。アイスコーヒーを出すと、「体を冷やすので結構です」と、700mlサイズでしょうか、かなり大きいピンク色の使い込まれたマグボトルをドンとテーブルの上に置きました。そのボトルには、マジックで黒々と“ありがとう”と書いてあり、不思議な感じがしました。

彼女は、全体的に世間の注目を集めている女優・松居一代さんになんとなく似ています。目鼻立ちが整っていて、目力が強い。同伴の女性は朱里さんのお母様でした。母娘で東京都内で会社を経営していると言うことでした。朱里さんの実家は超大金持ちで、一切生活に困っていません。

「夫が家に帰ってこないんです。あの借金まみれのクズは、この、大切な私の母からも私に内緒で借金を500万円もした大バカ野郎なんです。借金の原因を、この大好きな私の母には、“上司と麻雀してカモにされた。家計を管理している朱里には言えない”と涙ながらに訴えて、母からお金を引き出したんです。こんな奴、絶対に許せません!」

朱里さん夫婦は、結婚10年目。旦那様は日本でも有名な商社に勤務するエリートです。名門私立大学の法学部出身。ふたりはお見合いで結婚したそうです。

「クズが家に帰って来なくなってから、私は紹介してくれた人にも怒鳴り込んで文句を言ってやりましたよ。ヤツは仕事に忙しくて家に寄り付かないから子供はできないし、私の誕生日もすっぽかすし、10年間の結婚生活で一緒にいた時間を足すと半年くらいですよ。家庭を顧みないで、家に帰ってくれば寝てばかり。ホントにあいつはクズなんです」

さらに、エリートビジネスマンだから、使うお金も派手だったとか

「いきなり200万円の時計を買って来たり、この私にハイブランドのバッグを買ってきたりして、しかも全然趣味じゃない。デパートに突っ返してやろうと思っても、レシートはなくしているし、あらゆる意味で役立たずなんです。アイツの居場所を突き止めてください」

そう言い捨てて、カウンセリングルームから出ていく朱里さん。その夜、お母様から私のところに電話がありました。

「昼間は娘が失礼しました。ああ言いつつも、あの子は離婚したくないんですよ。問題のお婿さんは、もともとお金の使い方が派手で、ウチに何回もお金を借りに来ていて、ああいう激しい娘ですから、私たちもなんとなくお金を融通していたんですけれど、ここのところ様子がおかしくて。本当に家に帰って来なくなった様子ですし、娘の話を聞いていると、大きなトランクに荷物を詰めて持ち出している様子なんですよ。私はInstagramで婿をフォローしているんですが、最近の投稿がルンルンしているというか……ホテルのバー、おろしたての靴やスーツ、ブレスレット、ショール、花束などをアップしているんですよ。婿は“女子力男子”というか、なんかこうキラキラ女子というか、見栄っ張りみたいなところがあって、貸したお金も彼女との同居に使っているのではないかと思うんです」

探偵として依頼者・朱里さんの旦那様の居場所を突き止めつつ、浮気の証拠を押さえてほしい、というのがお母様の依頼。

「娘もワガママですが、離婚となった時に、娘に非があるような別れ方をさせたくないんです。きっと婿は金使いが荒いから、財産分与や慰謝料はないでしょう。あくまでも婿が不貞を働いて、娘は悪くないという体で、離婚させたいんです。どうぞ調査をよろしくお願いします」

何度歩み寄りをしようと思っても、旦那様は逃げて行ったとか……。

※本連載はプライバシーに配慮し、体験内容を変えない程度に一部書き換えています。

一流商社マンが横領で出向からの大転落! ニセモノブランドバッグを持つ、豊満な体型の女性は何者なのか……〜その2〜に続きます