中国の北京市と上海市を結ぶ京滬(けいこ)高速鉄道路線で26日、新型車両「復興号」の運行が始まった。報道によれば、復興号は牽引や制動など重要な部品や技術は中国が自主開発したものが採用されており、時速400キロメートル以上で走行が可能だ。
 
 中国の高速鉄道産業の発展は著しいものがあるが、中国人からすれば「中国高速鉄道の発展ぶりは、いつまで経っても発展の遅れが目立つ自動車メーカーとあまりに対照的」と映るようだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、「なぜ中国高速鉄道は自動車産業と違って急激な発展を実現できたのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。
 
 記事は、中国高速鉄道が日本やドイツから技術を導入し、「消化、吸収」のうえで今日の発展を実現したと伝える一方、中国の自動車産業は当初、「技術と市場を交換する」という考えのもと、外資メーカーに市場を開放したと紹介。その結果、中国の自動車市場は世界最大の規模にまで成長したものの、街で見かけるのは合弁車ばかりになってしまい、それでいて中国メーカーは基幹技術を手にできていないのが現状だと論じた。
 
 続けて、高速鉄道産業と自動車産業の違いについて、「主導する立場が国と民間という違い」もあることを指摘し、中国政府が政策の1つとして、巨額の資金を投じて発展させた高速鉄道に対し、中国の自動車産業はあくまでも企業が生産し、個人が購入するというモデルにとどまっていると紹介。
 
 仮に政府が資金を投下して基幹技術を購入し、その技術を自動車メーカーに渡していれば中国市場が外資メーカーに奪われるようなことはなかったとの見方を示している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)kikujungboy/123RF)