今夜行われるUEFAチャンピオンズリーグ決勝、ユヴェントス対レアル・マドリー。

ここでは、『Foxsports』による「今年のファイナルを決定付けるかもしれない、5つのマッチアップ」を見てみる。

1、ジダンvsアッレグリ

CL決勝は、世界のサッカー界で最も輝ける最高のコーチングマインドの激突にふさわしい舞台だ。

ジダンとアッレグリはともにカリスマ性があり、イタリアで学んだ監督である。そして、その戦術的な柔軟さとマネージメント力によって成功を収めている。

アッレグリは4-2-3-1への転向でチームを若返らせ(英語で書くとrejuvenate、奇しくもユヴェントスと似た綴り)、ラインアップに攻撃的な選手を散りばめた。

一方のマドリー。(チーム内の)エゴの絶妙なバランスを維持するジダンの能力は、すでに伝説的なものになっている。現役時代にはCLを勝ち取るためにユーヴェからマドリーへ移籍した彼は、4-3-1-2でプレーさせることでチームの強さを最大限に発揮させることに成功した。クリスティアーノ・ロナウドはより中央寄りの役割になることで爆発。また、長く苦闘していたイスコも輝くためのチャンスを掴み取った。

2人の素晴らしい指揮官が激突するファイナルでは、どんな驚くべき戦術も起こりうる。

2、ディバラvsセルヒオ・ラモス

今季マドリー守備陣の核として素晴らしいパフォーマンスを見せ続けたラモスは当然の賞賛を得ている。

攻守において強烈な存在感を放った彼とマドリーのDFたちは、(ユーヴェ戦で)今年で最も難しい試練に挑むことになる。

ラモスと相棒になるであろうヴァラヌは、元マドリーFWゴンサロ・イグアインに手を焼くだろう。とはいえ、彼の危険性は分かりやすいものでもある。

一方でパウロ・ディバラはより対処が難しい。

ユーヴェのシステムにおいて自由が与えられており、ボールを求めピッチをさまよいつつ、危険なエリアでチャンスをクリエイトする。また、パスレンジ、長距離からのシュート、ボックス周辺での悪魔じみたテクニックによって、どこにいても脅威になる。

ディバラは中盤とDFラインの間のスペースを使おうとするはずで、ラモスはそのことに敏感にならなくてはいけない。彼自身がディバラを潰すために追いかけることはないかもしれない。だが、ラモスのディフェンスにおける組織力と注意力は、鍵になるだろう。

3、MFデュオによるバトル

ユーヴェもマドリーも、中盤のペアによってチームは駆動している。両クラブは通常異なるフォーメーションを用いているが、2人の極めて重要なMFの組み合わせによってチームは動いているのだ。

マドリーの場合は、トーニ・クロースとルーカ・モドリッチ。そして、彼らの後方をカゼミロがサポートするか、前方にイスコが陣取る。

一方のユーヴェは、ディバラの後ろにいるミラレム・ピャニッチとサミ・ケディラの2人だ。

この2つのデュオがそれぞれのチームにおいて、中盤から試合のリズムを刻んでいく。そして、彼らの戦いが極めて重要になるはずだ。

攻撃面においてチャンスを作り出すのと同じくらい、危険なエリアで相手のポゼッションを潰すための彼らの稼働率が重要なものになるだろう。

4、ボヌッチvsロナウド

クリスティアーノ・ロナウドがいまだにマドリーの攻撃陣において最大の脅威であることは周知の事実だ。

左ウィングから中央でのより自由な役割に変わったことで、彼はさらに完成されたアタッカーになった。全く新しい方法でチームに影響を与えている。

かつてほどのスピードはないが、より利他的なランナー&パサーになった。そして、それはチーム全体の利益にもなっている。

ロナウドの動きはユーヴェ守備陣が注視することになるだろう。特にレオナルド・ボヌッチとジョルジョ・キエッリーニの2人は、その脅威に対処するタスクを負うことになる。ロナウドから危険性を取り除くためには、最高の試合をやらなくてはならないはずだ。

5、マルセロvsダニ・アウヴェス

サイドでのブラジル人同士の攻防は、最も興味をそそるものになるかもしれない。

マルセロは世界で最もスキルフルなDFと言えるだろうし、マドリーにおけるロベカル2世となった。そのタスクは左サイド全域を制圧することで、ユーヴェの右サイドにおけるアウヴェスの役割も同じだ。

今季のCLにおいてアウヴェスは爆発しており、古巣バルセロナとの2試合では驚異的なパフォーマンスを披露。彼はかつての宿敵であるマドリー相手に再び燃え上がるはずだ。

そして、マルセロとアウヴェスは互いを誰よりも分かっている。また、彼らは両チームで最も重要なクリエイティビティを備えており、攻守においてどうバランスをとるかが違いを生み出すことになりうる。