「『おやっ?』と思われてしまうのは、ある意味、当然かもしれません。うちの唐揚げは“白い”ですからねぇ〜」

店主・小川さんの見た目とノリは、間違いなく体育会系。入店時、キッチンの奥から「いらっしゃいませ〜」と大きな声が聞こえてきます

唐揚げ&ワッフル アモールは、「もも肉唐揚げ」550円が人気のメニュー。オーナーバリスタの小川晴之さんは、お客さんから不思議に思われる理由の一つとしてその白さを挙げます。一度や二度ではありません。テイクアウトしたお客さんから、帰宅後に店へ電話がかかって来る、なんてこともしばしばで、その度に小川さんはこの店の唐揚げの特徴をしっかりと説明し、対応しています。一般に唐揚げといえば“キツネ色”。そんな定着したイメージとはかけ離れているかもしれないけれど、理想を突き詰めたところ、この白い唐揚げにたどり着いたといいます。「うちの唐揚げは、いわゆる北海道のザンギではありません」というだけあって、北海道のザンギ文化に新たなる風を吹き込んでいるのかもしれません。

 鶏のモモ肉をニンニク、ショウガ、数種類の調味料で下味を付けた後、高温の植物性油で一気に揚げる、というところまではさほど違いはありません。けれど、元々の味付け自体が薄めで、甘辛ダレをかけて食べるというのがこの店のスタイルです。このスタイルでより美味しく食べてもらうために工夫を凝らした点が、揚がった後の処理。分離機にかけて油をふるい落としています。見た目も白さ同様に、口当たりもライトな唐揚げに仕上げているのです。小川さんは、その理由をこう説明してくれました。

「テイクアウトのお客さんも多いのですが、時間が経過するとどうしても油が染み出てしまい、ベチャというふうになってしまいがちです。温め直した時、出来たてのように美味しく食べてほしいので、このスタイルを採用しました」

 ちなみに温め直す際は、電子レンジよりもオーブントースターの方が良いそうです。

固定概念と立ち向かうには、少なからず試練はつきもの。大げさに言うなら、白さへ寄せられる疑問の数々は新たなる道を模索する挑戦者にとっての通過儀礼なのかもしれません。いずれにせよ、この店の新・ザンギは、食べて納得という一品なのです

 そして、唐揚げといっしょに看板に掲げているのが、なんと、ワッフル。ザンギとワッフルという、そんな取り合わせも摩訶不思議で、興味をそそる一因になっています。

札幌 唐揚げ&ワッフル アモール ■住所:札幌市豊平区美園8-3-2-9 ■電話:011・822・0577 ■時間:11;00〜20:00 ■休み:日曜、月曜 ■席数:16席(禁煙)

【北海道ウォーカー編集部】