暑苦しいトレンチコートを脱ぎ捨てて身軽になりたいこの季節、恋しくなってきたのは、仕事帰りにあおる冷えに冷えたビールではないだろうか?

「キンキンのビールと絶品つまみで一杯どう?」の誘い文句にそそられない者はいないはず。

気心知れた仲間と気取らずに飲むのもよし、もう一歩深く知りたいあの人と“さく飲みデート”にするもよし、喉越しビールと悶絶つまみの最強タッグが揃う5店を紹介しよう。



せいろの香りを纏ったシュウマイは、ごろっと存在感がある。
圧倒的“肉感”に、会社のマドンナも心躍らせる絶品シュウマイの店『十六公厘』

女性社員にとって花形の広報部で、ひと際容姿端麗な先輩。男勝りにさばいていく仕事ぶりと、なかなか隙を見せない所が魅力で、会社のマドンナ的存在である。そんな憧れの先輩を何も無い日に誘うのは、少しハードルが高いだろう。

しかし、人がまばらになった社内で、残業終わりに“お疲れサマの一杯”は誘いやすい。気楽に飲めて、それでいてチープにならない空間を求めているなら、ぴったりの店がある。

夕方になると、仕事を終えた大人達が、美食を求めて集まってくる神楽坂。メトロ神楽坂駅と都営線牛込神楽坂駅の間に、こじんまりと店を構えるのが『十六公厘』だ。



肉の旨味を存分に味わえるよう、まずはそのままで。からしをつければまた違ったうまさが。

憧れの先輩の心を開く、この店のビールのお供は、幸せなほどに肉々しい「シュウマイ」である。

その肉々しさは、豚肉と玉葱だけという究極にシンプルな具材ゆえ。豚肉は脂の少ない部位を使用しているので、肉の味が濃く、がつんとパワーのある一品だ。



“バー感覚の中華”は新鮮ながらも、居心地が良い。

普段は大人っぽい雰囲気の先輩が、ぶりっとしたシュウマイを口いっぱいに頬張って、「ん〜!おいしい!」思わず笑みをこぼす。その意外な無邪気さにドキッとするだろう。

その雰囲気に乗じて、「次はこんなおいしいつまみがある店にいきましょうよ」と誘いやすくなるに違いない。


甘辛たれの生姜焼きで、ジョッキビールが止まらなくなる店はこちら!



ボリューム満点の生姜焼きは、心身ともにパワーチャージしてくれる。
気取らないあの人と絶品生姜焼きを口いっぱい頬張れる老舗『菱田屋』

“学生からの腐れ縁、だけど何故だかほっとけない”男友達。「今夜どう?」を合い言葉に、平日落ち合うのがほとんどだ。溜まった愚痴も心置きなく吐き出せて、一緒に飲めば心がリセット出来る大切な存在になっている。

付き合いの長い相手とは、気軽で構えない店に入りたい。ビールジョッキを片手に、周囲を気遣うことなく、互いの近況アップデートに没頭したいものである。そんな2人にピッタリなのは駒場東大前にある『菱田屋』だ。

「お腹いっぱいに食べてほしい」という“母親”のようなコンセプトのもと、100年以上続く老舗で、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる。この店のビールのお供は、味はもちろんのこと、そのボリュームに必ずや満足させられる「豚肉生姜焼き」。



生姜焼きのタレが染みた、白ご飯の誘惑は犯罪級!

豚肩ロースを280g使用されたボリュームは圧巻。噛むたびに豚ならではの、甘い脂がじゅわっと溢れる。隣に添えられた、マヨネーズしっかりのスパサラを箸休めにしても、ジョッキが瞬く間に空くこと間違いなし。

気取らない相手との長引く近況報告にかこつけて、禁断の白米追加も我慢出来ないうまさである。


誘いたかったあの子と、ビールのテッパンお供を堪能できる人気の中華はこちら!



仕事の疲れをそっと癒してくれるような、雰囲気ある外観
可愛い後輩には“大人のさく飲み”で魅せる!肉汁飛び出す絶品餃子の店『ジャスミン憶江南』

会社でちょっと気になっている後輩。慣れないながらも、日々奮闘しているプロジェクトに進展があり嬉しそうだ。

仕事に対して真摯な姿勢と、はじける笑顔で慕ってくるのが可愛いくて、近々食事に行こうと思っていた。

「軽く飲みいく?」と“大人のさく飲み”へ連れ出すにも最適な店が『ジャスミン 憶江南』だ。



せっかくの肉汁を無駄にしないよう、一口で頬張りたい。

『ジャスミン 憶江南』は、大人の街広尾で名を馳せる人気中華『ジャスミン』が、中目黒にオープンさせた新店。山手通りから一本裏路地へ入り、静かな住宅街にぽつんと構えられた外観からは、中華料理店だと分からない。この店でキリッと冷えたグラスビールと併せて注文すべきは、「上海屋台の焼餃子」である。

小ぶりながらも厚めでもちもちっとした皮に、たっぷりと具が詰められていて、一口で味わう幸福感が堪らない。まるで小籠包のように、中から熱々の肉汁が飛び出してくるので、嬉しいやけどに要注意だ。



少し照明が落とされたカウンター、横並びで餃子をつまむのが新しい。

喫煙も可能なカウンター席は、落ち着いた空間ではあるものの、ぐいっとビールをあおれる気軽さも兼ね備えている。

“大人のさく飲み”として、ビール片手に肉汁溢れる焼き餃子を堪能すれば、可愛い後輩の見る目もガラっと変わるに違いない。


誰もが元気になれる組み合わせ。守り抜かれたレシピの絶品唐揚げで、ジョッキビールが止まらない!



『都鳥』の唐揚げは、その立派な大きさも嬉しい。
仕事でヘコんだ日でも食べたら絶対に笑顔になれる唐揚げ『京橋 都鳥』

最近仕事で大きなミスをして、すっかりへこんでいるとうわさの同期。部署が離れてからは、顔を突き合わせて飲む機会もすっかり無くなっていた。
「景気づけにジューシー過ぎる唐揚げとビールで、一杯どう?」と誘えば、あなたの気遣いが伝わるはず。

サラリーマンたちがせわしなく行き交う東京八重洲。京橋2丁目の大通りから日本橋側へ入った路地に店を構える『京橋 都鳥』は、昭和26年創業の老舗鳥専門店だ。創業以来、鳥一筋のこの店には、当初から変わらないレシピでつらぬく名物「鶏唐揚げ」がある。



ごま油がブレンドされた揚げ油の、香ばしい香りが食欲をそそる。

『都鳥』の唐揚げは、衣が薄く仕上げられているため、肉を邪魔することがなく、そのジューシーさと旨味をダイレクトに感じることが出来る。衣が薄い分、揚げ物特有の重さがないため、女性でもとクセになる一品だ。さくっ、じゅわっ、の唐揚げとビールという安心感のある組み合わせに、誰もが喉をならす。

八重洲という場所柄、“働く大人”の活気に満ちたこの店で、唐揚げを頬張りながら熱く仕事論を語らえば、同期と二人、明日への活力が湧くこと間違いない。その火照った身体はキンキンのビールが冷やしてくれることだろう。


気心知れた仲間を招集しよう!旨だれホルモンとビールで盛り上がれる店!



タレの染みた肉を、ジンギスカン鍋で豪快に焼き上げる。
懐かしい仲間を招集したくなる絶品ホルモン焼きの店『ホルモン在市 芝大門』

全力で働いた一日も終わりに近づき、デスクでほっと一息つく頃、ふと昔よくつるんだ仲間の顔がふと浮かんできたりする。収穫ゼロのお食事会や、気の張る接待が続けば、気兼ねなくワイワイ飲んだビールが無性に恋しくなるのだ。

久しぶりの仲間に声をかけ、豪快に飲みたくなったなら、『ホルモン在市』を訪れよう。浜松町と大門、どちらの駅からも10分ほど歩いたところに、牛の絵が描かれた提灯が目を引くこの店は、鮮度抜群のホルモンを求めて、連日多くの客が押しかける。

ホルモンと聞いて、ビールとの相性を疑う者はいないだろう。定番の焼肉スタイルでいただくホルモンも申し分無いが、この店の絶品つまみは看板メニューの「ごちゃまぜ焼き」だ。



しっかりした味付けと、たっぷりの葱が相性抜群。

食べ応えのある赤身肉と、自慢のホルモンをまとめて秘伝のたれに漬け込み、一気に焼き上げる。じゅうじゅうと肉が焼ける楽しげな音で一杯、少し焦げ付いた味噌ダレの香ばしい匂いで一杯、ジョッキが空くのは止められない。

「ごちゃまぜ焼き」のホルモンは、好きな部位を選べるので、大勢で思い思いにチョイスするのが楽しいだろう。濃厚なタレで味付けされた、食べ応えのあるホルモンを、ホップの苦みが効いたマスターズドリームで流し込めば、待ってました!と喉が喜ぶのを感じる。



仕事帰りのスーツでも気兼ねなく入れる、小綺麗な店内。

この店のホルモンは、サクサクこりこりと歯切れの良い食感で、どれを注文しても鮮度へのこだわりが存分に感じられる。また、焼肉店といっても、店内はすきっと清潔に保たれていて、大人数で集まっても最後まで居心地よく過ごせる空間だ

久々に顔を合わせた懐かしい面々と、昔に戻ってくだらない話で笑い合えば、日々の鬱憤も泡のごとく弾け飛んでいくはずである。