作家・柚月裕子(ゆづきゆうこ)のベストセラー小説を役所広司と松坂桃李のタッグで映画化する『孤狼の血』に、共に様々な作品で独特の存在感を発揮する滝藤賢一と田口トモロヲが出演することが明らかになった。本作には他にも真木よう子、石橋蓮司、江口洋介といった日本を代表する名優たちが集結している。

 同作は暴力団対策法成立直前の広島を舞台に、警察と暴力団組織の激しい闘いを描いた作品。所轄署に配属となった日岡秀一(松岡)は、暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾(役所)と共に「金融会社社員失踪事件」の捜査を担当する。常軌を逸した大上の捜査に日岡が戸惑う中、失踪事件を発端に対立する暴力団組同士の抗争が激化していき……。

 原作となった同名小説は「第69回日本推理作家協会賞」を受賞し、「本の雑誌が選ぶ2015年度ベスト10」第2位、「このミステリーがすごい!」(2016年度版)第3位、そして「第154回直木賞」にもノミネートされたヒット作。「警察小説×『仁義なき戦い』」とも評されており、原作者の柚月も映画の製作発表会見で「『仁義なき戦い』がなければこの作品はありませんでした」と語っていた。

 そして、その『仁義なき戦い』シリーズで日本映画の一時代を築いた東映が配給する今作は、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』などで凄みのある男たちを描いてきた白石和彌監督がメガホンを取っている。そんな作品への出演が新たに発表された名バイプレイーヤー2人がどのような演技を見せるのかに注目したい。(編集部・海江田宗)

『孤狼の血』は2018年春に全国公開