香港の旺角(モンコック)の顔ともいわれるようになった巨大ショッピングモールの「ランガム・プレイス(朗豪坊)」。25日、およそ40メートルという長いエスカレーターが突然逆走し、少なくとも18人の重軽傷者が出ている。警察はその後、エスカレーターのメンテナンスを担当していた会社とともに事故の原因調査を行っていたが…。

「ランガム・プレイス」の広報担当者は「エスカレーターは『オーチス・エレベータ・カンパニー(Otis Elevator Company)』によるもの。23日に点検作業が行われたばかりで異常なしと言われた」と発表し、モールには非がないことを強調していたが、逆走を食い止める機能を持つ制動装置が作動していたのなら、なぜそのような事態が起きてしまったのか。そこに異常があったと考えるのが自然であり、また香港政府機関「機電工程署(The Electrical and Mechanical Services Department)」はエスカレーターの駆動チェーンが摩耗していた可能性をも指摘している。

こうしたことから“点検作業は合格”としていたオーチス社の2名の作業員が、各種部品の取り扱いや点検作業に不備があった疑いで逮捕されたもよう。いまだ調査が続いているが、業務上過失傷害の罪に問われる可能性があることを『南華早報(South China Morning Post)』などが報じた。

このたびのケースは上りがいきなり下りへと逆走したものであったが、これがもしも下りが上りへの逆走であった場合、負傷者の数はこの比ではなかったはずだ。合格印を押すことだけを意識しての点検作業にせず、異常や部品の消耗を見抜くことに是非とも専念していただきたいものだ。香港市も市内の長さ15メートル以上のエスカレーター57本を対象に、すみやかに安全テストを実施するよう命じたという。

出典:http://shanghaiist.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)