原口元気は焦りを感じているようだった。「オレだけ前で点取っていないから」。チームに勝利という結果が出たことを喜びつつ、無念さを隠せない。

タイは日本が想像した以上に奮闘したと言えるだろう。何点取られても決して諦めることなく、最後まで1点を奪おうと走り続けた。原口のサイドの選手も惜しみなくアップダウンを繰り返す。リードした場面でも原口は決して手を抜かず、相手をマークし続けた。

「シュートも打ってないし……難しかったですね。ビルドアップが上手くいかなかったんで。正直、なんで上手くいかなかったのがよくわからないんですよ。ミスが多かったのは間違いないし、オレのボールの引き出しかたが悪かったのかもしれない」

「監督も言ってましたけど、もっとクオリティを上げていかないと強い相手には苦しくなる。でも、1試合、1試合なんで6月はチームのためになれるようにしたいと思います」

2016年9月から11月まで3次予選で4戦連発。ゴールゲッターとしての評価を固めたはずだが、UAE戦では同サイドのオマル・アブドゥルラフマンの注意を怠らず、タイ戦でもSBの位置まで何度も戻りピンチを防いだ。

「相手のSBが上がってきたんで、そのケアは大変でした。でも自分のところから走って行ってるので、ついていかなければいけないし、そういう意味ではタフなゲームになりました」

「でも点取らないと……結果を出さないと僕自身も出られなくなるので、次のシリーズでは取らなければいけないですね」

この日はシュートがないまま65分で交代したものの、右サイドが攻撃的だった分、バランスを取っていたのは間違いない。だが、その役割に満足していない。そして自分が点を取れなかったことで周囲に不満を持ってもいない。それほどしっかりチームプレーに徹している原口は、このまま日本代表の攻撃陣をリードし続けることだろう。

【日本蹴球合同会社/森雅史】

▼ 原口元気

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 原口元気

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


香川真司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


山口蛍

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 山口蛍

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


酒井宏樹

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 酒井宏樹、岡崎慎司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 酒井高徳

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 酒井高徳

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 森重真人

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 酒井高徳、森重真人

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 清武弘嗣

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 長友佑都、原口元気

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 本田圭佑

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 本田圭佑

(撮影:岸本勉/PICSPORT)