開幕1軍確実となった石川「まだまだ油断は出来ない」

 育成出身の右腕が、開幕1軍の座を掴み取った。今季、日本一奪還を目指すソフトバンクは28日、本拠地ヤフオクドームで、シーズン開幕となる31日のロッテ戦に向け、全体練習を再開。グラウンドに集まった選手たちの中に、背番号29、石川柊太投手の姿もあった。

 この日集った選手は投手14人、野手17人の31人。開幕2カード目に先発が予定される千賀滉大、武田翔太、中田賢一の3投手は29日に行われる開幕時の出場選手登録には入らないため、残りの28人が開幕1軍メンバーとなる見込み。昨季途中に育成選手から支配下登録となった石川もそこに名を連ねることになりそうだ。

 この日はチームのバント練習時に、マウンドに上がり、ボールを投じた石川。目標の1つだった開幕1軍が確実となったが、「まだまだ油断は出来ないですよ、首の皮一枚の戦いなので。目指していたところではありますけど、通過点ですから。クリアしたからヨシ!とかはないです。ここからが勝負なので。ただ、ずっと勝負だったので、これからも気持ちは変わらない。1年間1軍に居続けたいし、1軍にいるからには、チームの力になりたい」と冷静だった。

春季キャンプで自己最速更新する155キロ、「思い切ってやるだけ」

 宮崎での春季キャンプで主力組が集うA組に抜擢。2月28日の練習試合・楽天戦(アイビー)では自己最速を2キロ更新する155キロをマークした。オープン戦は4試合5イニングに投げ、2失点こそしているものの、武器のストレート、そして変化の大きいスライダーが1軍の舞台でも通用することを示し「ある程度自信も出来たし、いい意味で慣れてきている。思い切ってやるだけ」という。

 開幕2カード目の楽天戦になれば、千賀、武田、中田の3人が登録されるため、最初の28人から3人が振るい落とされる。ロッテ戦の3試合は、次なる生き残りがかかる試合となる。

「今更やれることはない。試合に合わせて準備して臨むだけです。投げるチャンスがあれば、そこでしっかり投げたい」

 13年の育成ドラフト1巡目で加入した25歳。1軍でスタートする2017年、勝負の年になる。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani