中国人旅行客の日本を訪れる目的が変化しつつある。以前は買い物を楽しむために訪日する中国人が多かったものの、近年は「日本ならではの体験」を求める中国人が増えているという。

 「日本ならではの体験」の1つに「温泉」を挙げることができるだろう。温泉そのものは日本にしかないものではなく、世界各国に存在するが、日本の温泉文化は非常に独特であり、中国人にとっては「日本を訪れたからには一度は体験したい」と思う魅力があるようだ。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、日本で温泉文化を体験したという中国人による手記を掲載し、「経済成長を遂げた中国は物質的には豊かになっており、日本で買えるものは中国でも買えるようになった」としながらも、日本の温泉文化は日本でしか体験できないと伝えている。

 中国をはじめ、世界各国の温泉はプールのように大きな浴槽に水着を着用して入浴するという形式が多いが、記事は、日本の温泉文化の独特な点は「裸で湯に浸かること」であると指摘したほか、露天風呂も中国ではあまり見かけないものであり、「雪の降るなか、露天風呂に浸かるのは非常に風情あるものだった」と伝えた。また、著名な温泉地では非常に多種多様な温泉を楽しめるとし、足湯に浸かりながらコーヒーを飲むことができる喫茶店も体験したことを紹介し、「日本の温泉文化の発展度合いが見て取れた」と紹介した。

 さらに記事は、中国経済が発達したことで中国人は物質的に豊かになり、「中国国内で買えないものはなくなりつつある」と紹介する一方で、日本の温泉文化は中国では絶対に楽しむことができないものだと指摘。越境ECなどの恩恵により、中国国内にいながらにして世界各国のモノを購入できるようになった今、せっかく日本を訪れた以上はぜひとも温泉文化を体験すべきとの見方をしめしている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)