中国において公務員は人気の職業である。その魅力は待遇の良さと安定ぶりであり、世渡りが上手であれば大きく出世できる可能性もある。一方、一般市民の公務員に対するイメージは決していいものではない。その理由として第一に考えられるのは、やはり汚職が後を絶たないということだろう。

 中国メディア・今日頭条は10日、「日本の公務員はとても清廉である」とする記事を掲載した。記事は、仕事で日本の公務員と関わった経験をもとに、その特徴について紹介している。まず、公務員は事業などで関わりのある業者などとの癒着を防ぐために、連絡担当者が半年ごと、あるいは1年ごとといった短いスパンで交代するとした。

 また、日本の公務員は完全に公私を区別しており、うまく取り入れたり、さらには賄賂を贈るなどといったことは不可能であると紹介。公務員が視察にやってきた際も、お茶はさておき、お菓子を出すだけで難色を示すことがあるとした。そして「政界のハイレベルな場所ではいざ知らず、日本の末端公務員においてはグレーの収入はないのである」と説明している。

 記事は、日本でも公務員の給料や福利厚生が非常に安定していること、そして、クリーンな行政に関する制度がしっかり整っており、賄賂を受け取った時には厳しく処罰されることを挙げたうえで、「業者は何とかして公務員との関係を接近させたい。しかし公務員たちはこれを拒む。実のところ彼らはリスクを冒したがらないのだ。ちょっとした不注意で安定した地位と給料を失ってしまうからである」と説明。「公務員は定年退職まで安穏に過ごせば、多くの退職金を受け取れる。日本の公務員の清廉さ、平穏を旨とする人生は、日本人の価値観に合っているのである」と論じた。

 習近平政権となった中国政府は、官僚の腐敗撲滅に力を注いでいる。着実に成果を生む一方で、依然として各地で汚職のニュースが後を絶たない。中国の公務員に「清廉」のイメージが定着する日は、やって来るだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)