この取材の数日前、“双子”とも称される大親友の河西智美とのツーショット写真がSNSにアップされ、大きな反響を呼んだが、板野友美にとって、河西をはじめ、元AKB48のメンバーは友人であり、仲間であると同時に、最も強い刺激を注入してくれる存在でもある。「みんながいろんなことやっているのを見ると“私も!”って気持ちになります」。もちろん、逆もしかり。板野の2ndアルバム『Get Ready♡』は、大いに他のメンバーたちを刺激し、背中を押すことになるだろう。AKB48卒業から3年、1stから2年を経ての変遷と彼女の“いま”について、じっくりと語ってもらった。

撮影/川野結李歌 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.



「親友のために」つづったウェディングソング



――『Get Ready♡』のリード曲である『OMG(オーマイガー)』のミュージックビデオを拝見したのですが、スポーツジムを舞台にした、スポーティさとセクシーさが組み合わさった映像になっていて、面白いですね。

恋愛の初期段階で「あの人もこの人も素敵!」と目移りしちゃう女の子の恋心を歌ってるんですけど、それに合わせて“妄想”してるシチュエーションを描きたかったんです。



――女子の妄想! その舞台がなぜジムに…?

学校、カフェ、クラブとかいろいろ考えたんです。でも、どれもありがちだなと思ってて、そうしたら「最近の若い子の中に、ジムに行く人が多いらしいよ」という話を聞いて、監督と話し合い決めました。

――板野さんにとって、このアルバムの中での、『OMG』の位置づけは?

アルバムのイメージにぴったりのリード曲だなと思います。これまで、場を盛り上げるようなパーティチューンの楽曲が多かったんですが、“Get Ready”というタイトル通り、パーティやお出かけの準備をしているイメージのアルバムなので、ちょっと気分を高めるような曲になっていると思います。




――恋愛の初期段階、お出かけの準備、どちらも、もしかしたら一番楽しいワクワクする時間かもしれないですね?

女の子たちがガールズトークで恋バナに花を咲かせている感じですね。「あの人、カッコよくない?」「あの人好きかも」って。

――ご自身で作詞を担当された『I AM』は、ウェディングソングです。『私のONLY ONE』とともに、板野さんプロデュースのウェディングドレス「Petit Tomo(ペティトモ)」のCMソングに使用されていますが『I AM』は結婚する友人を祝福する楽曲ですね。

CM曲として、「ウェディングソングで…」という注文を受けたのですが、最初は自分が好きな人と結ばれるような歌詞にしようかと思ったんです。でも私自身、“結婚”というものを自分でイメージできなくて…。

――なかなか歌詞が思い浮かばなかった?

想像でしか書けないし、すごく薄っぺらいものになっちゃいそうで…。イメージわかない! 書けない! って焦ってたんですが、そんなとき、周りの友人で結婚する子たちが何人かいたんです。ずっと前から知ってる友人が結婚するのって、とても不思議な感覚になるものなんだなと思いました。



――視点を変えて、自分が結婚する立場ではなく、友人の結婚を祝福する思いで歌詞を書かれたんですね?

自分の一番の親友がいつか結婚するときに贈れるような曲にしよう、とスタンスを変えたら歌詞が浮かんできました。これまで、あまり結婚式に出席したこともなかったんですが、立て続けに2〜3回、行く機会があったんです。式の様子を見ながら「あぁ、ここで曲が流れたらいいな」とか考えたりして。

――では、この歌詞に書かれている内容は板野さんの実際の経験が反映されているんですか?

ほとんどが私と、その親友のあいだの実体験ですね。その親友は、長く恋人と付き合っていて、まだ結婚はしていないんですけど。電話で相談を受けたりすることもよくありました。その子が結婚するときにぜひ歌いたいです!




――同じくウェディングソングでも『私のONLY ONE』は新婦の視点で描かれていて、『I AM』とは双子のような関係で面白いですね。

『私のONLY ONE』は、友人の式に出席して、家に帰ってきた若い恋人たちに聴いてほしいですね。日常のささやかな幸せが描かれていたりして、じんわりと結婚の幸せを感じたり、共感できると思います。結婚を考えているカップルの背中を押してくれるような曲になっているんじゃないかと。

――これまでもご自身で歌詞を担当していますが、どうやって書くんですか? 家で集中して執筆するんですか? それとも移動中などに?

移動中が多いですね。最初から「こういうのを書く!」と決めずに、まずは曲を聴いてみるんですが、そうすると「これはラブソングだな」とか「あぁ、この曲は自分への応援歌にしよう」とかメロディから自然と詩のイメージがわいてくるんです。ファーストインプレッションから一気に書きます。




――頭の中にワードが浮かんでくるんですか? それとも映像が?

映像ですね。歌詞を書くためだけでなく、普段から曲を聴いて、勝手に曲に合うシチュエーションを妄想してることが多いんです。「あ、これはハワイだ」とか「レストランで夜景を眺めながら…」とか。今回のように、最初から「ウェディングソングで」と注文されて、書くのは初めてで…。

――これまでとは違う難しさがあった?

難しかったです。「ウェディングのシチュエーションで…」と考えれば考えるほど、わからなくなってきて…。友人に助けられました。



25歳の壁!? 結婚を意識すると恋愛に踏み切れない…



――アルバム全体を通じて、『OMG』から『私のONLY ONE』、『I AM』そして、こちらも板野さん作詞の『One Last Kiss』と、いろんな恋の段階が描かれているような流れになってますね。

そこは意識してなかったんですけど、面白いですね。『COME PARTY!』や『Gimme Gimme Luv』、『OMG』はちょっと遊びのような恋愛というか「盛り上がろうよ!」という感じで、それが年齢を重ねて、少しずつ大人になっていくような。『One Last Kiss』は切ない想いを描いていますしね。

――板野さんご自身、25歳のいまの恋愛観を教えていただけますか?

私は昔からわりと恋に憧れる気持ち、「いつでも恋愛していたい!」って気持ちはあるんですけど、結婚に関しては「いますぐ!」とは考えられないですね。10代の頃は、25歳のときにはもう結婚してるんだろうなって思ってたんですけどね(笑)。

――先ほどの作詞のお話のときもおっしゃってましたが、20代中盤になれば、徐々に周囲が結婚し始めているのでは…?

そうですね。ただ「25歳って難しい時期かも…」と思うこともあって…。というのは、恋愛の先の結婚を考えると、なかなか最初の一歩が踏み切れなかったりするんだなって。



――ちなみに、板野さんが相手に求めるものは何ですか?

どちらかがどちらかに合わせるとうまくいかないと思うんです。互いが同じように相手を思いやり、尊敬する気持ちがないと恋愛にならないと思います。恋愛に限らないんですけど、昔は私も自分の考えを相手にも求めていたんです。

――自分と同じ価値観でいてほしいと?

自分が正しいと感じることは、相手にもそう思ってほしいし、私がされて嫌なことは、きっと相手も嫌だろうって。でも、それって人によって全然違うんですよね。いまさらですけどそれに気づいて、無理に価値観を共有しなくてもいいんだなって。

――年齢を重ねる中で、そう思えるように?

そうですね。「あぁ、そういう考えもあるんだ」と相手を素直に受け入れられるようになったというか。同じ価値観の相手もいいけど、違うからこそ面白いと思えるものなのかもって思えるようになりましたね。



AKB卒業生たちの活動は「常に気にしてます!」



――恋愛面でエンジンがかかるのはまだまだこれからのようですが、仕事面ではアーティスト活動に女優、さまざまなプロデュース活動など多ジャンルにわたって活躍中ですね。25歳のいま、仕事で最もやりたいことは?

アルバムが発売されるので、いまはツアーをやりたいですね。どんどんライブをして、いまの板野友美をより多くの人に知ってほしいし、アリーナや武道館のステージにソロで立てるようになりたいです。アイドル文化、アーティストを取り巻く環境が、時代が変わっていくなかで、最先端で発信し続けていけたらと思います。

――ソロになって3年ですが、ご自身の変化は感じていますか?

根本の部分は変わらないけど、自分が本当に「いいな」と思うものを発信したいという気持ちはより強くなっていると思います。いま、特にアーティスト活動で自分がやりたいことをやらせてもらえているので、突き詰めていきたいし、それをひとりでも多くの人に「いいね」と共感してもらえたらうれしいです。




――その意味で、アルバムには板野さんの“いま”の思いが詰まっていると言えそうですね。いま、板野さんが強く心惹かれる存在、一番ハマっていることは何ですか?

最近、Apple TVに入会して、家でもずっとTVをつけっぱなしにして、ミュージックビデオを視聴してるんです。いままでは、わりと自分の好きな曲やミュージシャンしか聴かなかったんですけど、いまは流行りの曲とかがずーっと流れてる状態で…。

――自分で選曲するのではなく?

知らない洋楽のミュージシャンも含めて、延々と。そうすると「こんな曲があるんだ!」とか「こんなミュージックビデオを作ってみたいな」とかいろんな情報が入ってきて、インスパイアされるんですよね。そうやって、勝手に“勉強”するのがすごく楽しいです。

――先ほどの恋愛面での価値観のお話にもつながりますが、より“多様性”を受け入れるようなマインドに変化してるのかもしれませんね?

そうかもしれないです。でも、根本の部分はぶれたくないって強く思ってもいます。何でも受け入れるんじゃなくて、自分がいいなと思えるものをきちんと選んでいきたいし、“義務”と思ってするのではなく、楽しんで日常からいろんなものを吸収したいですね。

――そういう意味で、もともと、同じグループで切磋琢磨し合い、いまは多様な分野でそれぞれに己を磨いているAKBの元メンバーたちの存在は非常に大きいのでは?

すごく大きいです! メンバーが頑張ってると、勇気をもらえます。ともーみ(河西智美)はしばらく留学していたので、すごく久しぶりだったんですけど、会って話をすると、楽しいだけじゃなく刺激をもらえます。あっちゃん(前田敦子)ともご飯食べて、お互いの仕事の話をしたり。みんながいま、どんなことをやってるかは常に気にしています!



【プロフィール】
板野友美(いたの・ともみ)/1991年7月3日生まれ。神奈川県出身。A型。2005年、AKB48のオープニングメンバーオーディションに合格。中心メンバーとして活躍する一方で、2008年にモデルとしてデビューし、2011年には『Dear J』でソロデビューを飾るなど、ソロでも精力的に活動する。2013年8月にAKB48を卒業。2014年、1stアルバム『S×W×A×G』をリリース。2016年には映画『のぞきめ』で映画単独初主演を果たす。2ndアルバム『Get READY♡』のリリースを記念し、招待制のスペシャルイベント【Tomomi Itano “Get Ready♡”Special Event presented by KING e-SHOP】が11月20日、渋谷キャメロットで行われる。
【公式サイト】http://tomomiitano.jp/
【ブログ】http://lineblog.me/tomomiitano/
【Twitter】@tomo_coco73
【Instagram】@tomo.i_0703/


■2nd アルバム『Get Ready♡』
発売日:2016年11月2日(水)


【初回限定盤TYPE-A】KICS-93437/¥3,241+税/CD+DVD
【初回限定盤TYPE-B】KICS-93438/¥2,778+税/CD+PHOTOBOOK
【通常盤】 KICS-3437/¥2,315+税/CD Only

■『Tomomi Itano ASIA TOUR 2016【000】LIVE Blu-ray & DVD』
※【000】の読み方は【トリプルオー】
発売日:2016年11月23日(水・祝)

【Blu-ray】KIXM-259/¥6,463+税
【DVD】KIBM-613〜614/¥5,537+税/2枚組

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★★板野友美さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント★★

今回インタビューさせていただいた、板野友美さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:2016年11月1日(火)12:00〜11月7日(月)12:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/11月8日(火)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから11月8日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。11月11日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

■キャンペーン規約
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