中国人旅行客が世界中で多額の消費を行い、渡航先に大きな経済効果をもたらしているが、その一方で中国人旅行客の行動が問題視されることも多い。問題視される行動の多くはマナーや習慣の違いに起因するものだが、大きな経済効果をもたらしてくれる客であるにもかかわらず、歓迎の声ばかりではないのも事実だ。

 中国メディアの参考消息はこのほど、中国人はなぜ国外で「悪者」にされるのかと嘆き、その理由を中国人の視点で考察する記事を掲載した。

 記事は、中国人が国外で外国人に罵られるなど、不愉快な思いをするケースが増えていることを紹介。その事例としてロンドン発、上海行きの飛行機のなかで中国人が外国人男性から「ブタ」呼ばわりされたことがあったと紹介し、ブタ呼ばわりさた中国人が客室乗務員に対処を求めたところ、「静かにするか、もしくは飛行機から降りるか」を迫られたと紹介した。同事件は中国のネット上で非常に大きな注目を集め、航空会社が謝罪を迫られる騒ぎになった。

 そのほかにも、スペインや米国、オーストラリアなどで中国人が侮辱されたり、物を投げられたりする事件が相次いで発生していることを指摘し、中国人が国外で差別を受けたり、軽視されたりする事件が起きる背景について、「アジア人に対する人種差別が1つの要因」と主張したほか、文化的な差異や世界の中国に対する理解不足が中国人に対する誤解を生んでいると主張した。

 また記事は、一部の中国人のマナーが渡航先の人びとに反感をもたらしている可能性を指摘する一方で、中国人は国外で「悪者」にされるのはあくまでも差別や、中国に対する理解不足が原因であると主張、中国は「悪者」にされる被害者であるとの立場で主張を展開している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)