家電業界をはじめとして、中国企業による日本企業の買収の動きが強まっている。買収後に従来の社風を残すのか、中国企業の社風を導入するのかはまちまちだろうが、中国の会社と日本の会社に存在する違いを埋めるのはなかなか大変な作業だろう。

 中国メディア・光明網は19日、中国人が日本の企業で働いてみて感じた、中国との違いについて紹介する記事を掲載した。記事は、日本では基本的にコミュニケーションを取る際はメールを使用し、skypeやmsnといったインスタントメッセンジャーを使うことはないと説明。その理由が、メールのやり取りであれば問題発生時に責任追及しやすい点、メッセンジャーでは取り留めのない雑談になりがちなのに対し、メールでは文面がしっかり整理されたうえで発信される点などにあると解説した。

 中国の企業ではメッセンジャーを用いた社員どうしのコミュニケーションが当然のように行われている。記事は、この方式は確かにスピーディーにやり取りができ、数文字打つだけで内容が伝えられる反面、「一度言ってしまったらすぐに忘れてしまったり、順序の整理が難しく、作業効率に影響する」とし、メールでのやり取りに優位性があると論じている。

 記事はまた、日本人はプレゼン資料を作成する際に求められる見栄えのレベルが高く、「センスがないとしても、少なくとも筋道がしっかりして分かりやすく、統一感があるようにしなければならない」と紹介。資料の美しさは商談が上手くいくかを多分に左右するとし、資料作りが「最も基本となる仕事能力」であると説明した。

 確かに、日本人は資料の見栄えを重視する傾向にある。履歴書の文字も、きれいな文字で書かれていた方が相手に好感を与えやすい。ただ一方で、見栄えばかり気にしすぎて時間を無駄遣いしたり、中身が見た目の美しさに伴っていなかったり、というケースもしばしば見受けられる。中身のある、見やすい資料をいかに手早く作れるかが、資料作りという「最も基本的な能力」の高さを示すのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Georgii Dolgykh/123RF.COM)