テレビをパソコンに変身させる「スティックPC」は、新しいタイプのパソコンだ。
スマートフォンやタブレットの進化は目覚ましく、インターネットだけでなく、ビジネスの分野でも様々な処理が可能になった。

今日では、PDFやMS Officeのファイルを閲覧したり、編集したりできるのは当たり前だが、それでもパソコンを使う人が多いのは、効率よく作業ができるからだ。今までパソコンを触る機会がなく、4月から新社会人や大学生になった人の中には、会社や大学でパソコンの有り難さを痛感しただろう。

また家族がいるご家庭では、スマートフォンに撮り貯めた家族の写真を見たり、動画を編集したりするために、リビングに1台、パソコンが欲しいと思っている人はいないだろうか。

そうした人に打ってつけなのが「スティックPC」と呼ばれるタイプの新しいパソコンだ。
2016年4月8日より販売を開始するASUSのスティックPC「ASUS VivoStick TS10」は、老舗のPCメーカーだけあり、他社のスティックPCにはない画期的な機能を備えている。

■スマホがマウスやキーボードの代わりになる
本製品は、テレビのHDMI端子に挿して使用するスティックタイプのパソコンだ。
OSには、最新のWindows 10 Homeを採用しており、デスクトップPCやノートPCと同じように使用できる。


ASUSのスティックPC「ASUS VivoStick TS10」


大きな特長は、スマートフォンやタブレットをマウスやキーボードの代わりに利用できる点だ。
iOSおよびAndroidに対応する「VivoRemote」と呼ばれる専用アプリを使うことによって、手持ちのスマートフォンをマウスやキーボードとして使用できる。
マウス操作とキー入力のほかに、動画再生時の再生開始や一時停止といった操作も可能なので、これまでのデスクトップにない使い勝手が得られる。


スマートフォンやタブレットをマウスとキーボードの代わりに利用できる


スマートフォンやタブレットの画面をテレビに表示できるのも特長のひとつだ。
Androidのキャスト機能およびiOSのAirPlay機能に対応するアプリ「HyStream」を付属しており、スマートフォンやタブレットに保存してある動画や写真やゲームなどを大画面で楽しむことができる。

iPhoneやiPadでは、写真や動画、音楽の3種類のデータを「HyStream」のウィンドウ内で再生可能だ(※iOSはiOS 8までの対応)。
一方、Androidのスマホやタブレットでは、画面を「HyStream」のウィンドウ内にそのまま表示できるのだ。

そのほかの機能としては、パソコンの操作を簡単にする「VivoRemote Center」をプリインストールしていることが挙げられる。「VivoRemote Center」は、Windowsでもスマホのような操作感を実現するインターフェイスだ。

アプリなどへのショートカットを画面上にタイル状に並べることができ、タイルをクリックするだけでアプリを起動できる。グラフィカルで分かりやすいインターフェイスなので、パソコン初心者でも簡単に使いこなせるだろう。無線LANやBluetoothの設定用タイルが用意されているほか、自分で好きなアプリを登録して使用することも可能だ。


スマホのような操作感を実現した「VivoRemote Center」


CPUはAtom x5-Z8350、メモリは2GB、ストレージはeMMC 32GBを内蔵。インターフェイスとして、IEEE802.11ac、Bluetooth 4.1、USB 3.0×1、USB 2.0×1を備える。
本体サイズは139(幅)×36(奥行き)×16.5(高さ)mm。重さは約75g。
実売価格は、2万3500円前後(税込)。

リビングや自室のテレビをパソコンに変えたい人、パソコンは欲しいが3万円は出せない人には、魅力的な商品と言えるだろう。


ITライフハック 関口哲司