中国メディアの新浪網はこのほど、「J-10」戦闘機シリーズの最新型である「J-10C」の登場により、初期型の「J-10A」も改造を実施されると紹介する記事を発表した。米国のF-16に勝る戦闘機になるという。

 「J-10A」の改造で、最も重要なのは現行の機械式のレーダーをアクティブ電子走査アレイ式レーダー(AESA)に換装することだ。AESAで技術的に大きな課題になるのが冷却だ。米国の戦闘機「F-16」が現在搭載しているのはAESAであるSABRレーダーだが、記事は「冷却問題との妥協のため、性能が影響を受けている」、「J-10のAESAに及ばない」と主張した。

 記事は、AESAの性能をもって、J-10Aは「米軍のF-16の性能に追いつき追い抜いた」と主張した。

 記事によると、J-10Aは搭載ミサイルも、これまでの「PL-10(霹靂-10)」や「PL-8」ではなく、新型の「PL-15(霹靂-15)」や「PL-12」を搭載できるようにした。

 また、これまでの慣性誘導装置はコストが低く、技術も成熟しているという長所があったが、高加速度を出すと精度面で影響が出やすい問題になった。そのため、レーザー式の慣性航法装置を導入し、問題を解決したという。

 また、地上攻撃時に使用する爆弾も衛星による誘導が可能なタイプになる模様だ。

 ミサイル攻撃を受けた際のチャフ(アルミ箔)やフレア(赤外線ホーミング誘導ミサイルを攪乱する燃焼弾)の能力も強化された。さらに、データリンクの能力も向上し、中国空軍の新たな運用体系に「J-10A」も組み込まれることになるという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) : Puttawat Santiyothin/123RF.COM)