3月に行われる2018年ワールドカップのアジア2次予選に向け、24名の日本代表メンバーを発表したヴァヒド・ハリルホジッチ監督。
会見は日本サッカー協会のYoutube公式チャンネルで生中継されたのだが、今回はその代表メンバー発表会見の全文をお届けしよう。
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※できる限り口語のまま掲載
霜田 正浩(日本サッカー協会技術委員長)
「はい、皆さんこんにちは。霜田でございます。
昨年10月11月はアウェイの試合でした。3月のこの2試合はホームで日本のサポーターの前でしっかり内容と勝敗にこだわって、いい結果を出したいというふうに思っております。
2016年日本代表の新しいスタートですので、しっかり結果を出して次のステップに進みたいというふうに思っております。
またご声援、応援を宜しくお願いします」
ヴァヒド・ハリルホジッチ(日本代表監督)
「コニチハ。
今シーズン初めての合宿が始まります。そして第2次予選の最後の2試合が待っています。
この2試合、我々にとって重要です。1位でいたいと思っています。
目的は2試合に勝つこと。
チャレンジを続けたいのは、失点をしないこと。そしてできるだけたくさんの点を取るということ。我々にとってこれが重要になってきます。
FIFAランキングはアジアの今2位ということなので、それを維持できればなと思っています。その後最終予選に向けてのドローがありますので、そこに向けて重要になってくると思います。
そして我々の仕事の2年目が始まるわけですね。この2年目は、チームが攻撃面も守備面も向上してほしいなと思っています。我々は2ヶ月かけてチームを分析してきました。映像もたくさん見て分析してきました。
どのディテールを伸ばさなければいけないということを完璧に把握している状態です。そして、我々が受け持つ選手の個人の長所を活かしてプレーしていくというのは変わりません。我々日本のアイデンティティを見つけていかないといけない。
もちろん長所、短所もあるんですけど、長所を使ってアイデンティティを見つけていくということですね。そのためにいろんなところを移動してきました。ディスカッションもたくさんしてきました。国内合宿も国内組だけでやってきました。国内組の体の状態を知るためですね。
そしてメッセージも国内組に伝えてきました。もっとトレーニングをしてほしい、と。我々が行ったテストでまだまだA代表に定着するレベルじゃない人は何人かいました。私から各自へメッセージを伝えました。
今回のA代表には、半分ほど国内組が入っています。
先発を勝ち取ってほしいな、と。資格がある者しかA代表に呼べません。我々は正確なものを用意しています。何人かの選手はもっと努力をしなくてはいけません。
いくつか気付いた点があるんですけど、このJリーグの第1節、第2節を見る限りでは、昨シーズンよりも戦う意識、デュエルが向上している感じがします。
しかしさきほどアジアチャンピオンズリーグを見たんですけども、日本を代表する各チームがですね、オーストラリア、中国、韓国相手にかなり厳しい状況になっている。彼らと最終予選で戦う可能性が高いということなんですね。
そのために『海外組、国内組含めて我々のプレーを向上させないといけない』という話をしました。もしくは、もっと野心を持つ。この予選の突破のためですね。
それでは、この合宿に呼ぶメンバーです。
ゴールキーパー
東口 順昭(ガンバ大阪)
西川 周作(浦和レッズ)
川島 永嗣(ダンディー・ユナイテッド/SCO)
林 彰洋(サガン鳥栖)
キーパーを4人呼びます。なぜ4人か?
エイジは私と一緒にはなかなかいなかった月があるんですけども、今スコットランドリーグの方でプレーしています。最近怪我をしてしまいまして、直近の試合に出ていません。
ただエイジとはしっかりコンタクトを取り続けてですね、トレーニングを続けているということですし、問題がなければ今週末試合に出るんじゃないかな、と。
彼も呼んで、彼がどのような状態か見てみたい。彼がプレーするかどうかはまた別の問題です。我々と過ごし、そして様子を見ていく。そのために4人キーパーを呼んでいます。
林も新しい選手ですが、しっかり我々のトレーニングをしてほしいなと思っています。
東口と西川は常に我々と関わっている選手ですね。もしかしたら東口に今回チャンスを与えるかもしれません。同時に予選突破しないといけないということですけども、選手にできるだけたくさんの可能性を与えてあげたいなと思っています。
そして、このチャンスを掴むのは選手たちですね。何人かはチャンスを掴むかもしれないし、何人かは掴まないかもしれない。
東口は自分のクラブで良いプレーをしているのでチャンスを与えてあげたいな、と思っています。
それではディフェンスに移ります。
サイドバック
酒井 宏樹 (ハノーファー/GER)
酒井 高徳(ハンブルガーSV/GER)
長友 佑都 (インテル/ITA)
藤春 廣輝 (ガンバ大阪)
酒井宏樹ですね。常にプレーしています。
(映像が一時乱れる)
今のクラブのシチュエーションは難しいかもしれません。
彼と山口に会いに行ったんですけど、励ましづけるためですね。彼もしっかり向上している選手。
ハイレベルに行くためのフィジカルクオリティがある、日本人に稀な選手だと思います。しかしながら、頻繁にそのクオリティを使えているわけではありません。彼には個人のビデオを用意していますので、彼と話をしながら向上させていければなと思っています。
酒井高徳ですね。彼もよくプレーしていますね。先発を勝ち取ったんではないかな、と。我々は本当によく知っているんですけど、彼はしっかり丁寧にやりますしディシプリンもあります。ここのA代表に呼ぶ資格があると思ってます。
長友佑都もインテルで常にプレーして、右も左もやってますね。現地に行って彼と本田とも話してきました。
彼にもケイスケにも、ゲームの中での役割、グループでの役割、正確なものを伝えてきました。そしてイタリアでの経験をグループの中にもっと話してくれ、という話もしました。特にディフェンス面ですね。長友に関しては、ピッチ内もピッチ外もかなり信頼しています。
藤春ですけども、彼も向上したと思っています。現代フットボールに必要なサイドバックを表現できる選手ではないかなと思っています。攻撃面にかなりのものをもたらせるんではないかな、と。国内でやる試合ですけど、攻守にわたって二つの役割が重要になってきます。
そしてセンターバックは4人用意しています。
センターバック
吉田 麻也(サウサンプトン/ENG)
槙野 智章(浦和レッズ)
森重 真人(FC東京)
昌子 源(鹿島アントラーズ)
まず吉田ですけども、まだ頻繁にプレーできているわけではありません。なぜなら、向こうでは競争がかなり高いですね。
そして吉田麻也にもアドバイスしたんですけど、先発で出なかった時にはしっかりと戦う状態に体をしておきなさい、と。もちろん彼ともしっかりコンタクトを取ってトレーニングのやり方なども説明していますし、とにかく先発を取ってくれという話をしています。
槙野とも話をしました。
昨日の夜は世界でも有数な力強いFW(ジャクソン・マルティネスのこと)と対峙していたんですけども、頑張って跳ね返していました。このような試合で彼は向上していくと思います。そして、各選手にもこのような試合を期待しています。このようなことで向上していくと思います。
森重。本当に体も良い状態ですし、ディスカッションもして満足しています。
最近の試合で丸山と森重のプレーですけど、ポジショニング、組み立て、カバーリング、全て良かったですね。無駄なファウルもなかったです。そしてラインを上げるということもよくやってました。そういったディテールは選手にしっかり説明しています。
昌子もすでに我々呼んだことあるんですけども、彼もものすごい競争の中にこれから入らなければいけない。我々は彼にチャンスを与えるという決断をしました。パワーもあります。向上すると思います。このなかで彼も向上していってほしいな、と。
これが8人のDF陣ですね。
このDF陣はかなり競争が激しいと思います。お互いの能力が拮抗しています。丸山は左利きっていうのも良いですね。彼も向上していきます。トレーニングをして先発を勝ち取ってほしいんなと思います。
それでは中盤。
守備的ミッドフィールダー
長谷部 誠(フランクフルト/GER)
山口 蛍(ハノーファー/GER)
柏木 陽介(浦和レッズ)
(長谷部について)我々のキャプテンですけど、彼ともたくさん話をしてきました。
山口蛍ですけども、良いレベルになるんではないかな。ただまだ常に先発を勝ち取ったわけではないです。彼にとっては難しい状況は続くと思いますけども、彼を励ましたり元気付けたりしてきました。シチュエーションが本当にドラマティックな感じかもしれませんけども。
彼のボールを奪うところ、守備の役割のところでかなり私は彼を信頼しています。まあ、まだ攻撃面のところで向上する余地はかなりあると思うんですけども。ただ、彼の信頼を私はしています。
ドイツで適応するというのは簡単なことではないです。ただ彼はしっかりと向上していくと思いますし、A代表に良いものをもたらしてくれると思います。
それから柏木。我々に足りなかった左利きですね。運動量も多いです。我々の組み立てで守備と中盤のところを繋いでくれる選手。
彼の役割は重要になってきます。彼の動きは重要になってきます。パワーがないんですけども、彼の移動、それから運動量というところで勝っていくと思っています。
守備のところも、それから攻撃面のところもチームに良いものをもたらしてくれるのではないかな。良いボールも送ることができますし。そして我々のプレーのスピードというところで彼が必要になってきます。このような選手を使ってFWの選手たちが背後を取れるかなと思っています。
そして、中盤で左利きを抱えているということは、フリーキックの時も興味深いものができると。昨日ですね、しっかり良いフリーキックをしていました。
ただフィジカルコンタクトのところでなかなか良い状況にはなっていませんでしたけども。ミニ合宿で彼とは話をしました。自分の体をもっと強くしなさい、と。彼は野心をかなり持っている選手です。A代表でも先発を勝ち取ってほしいな。
攻撃的ミッドフィールダー
原口 元気(ヘルタ・ベルリン/GER)
香川 真司(ドルトムント/GER)
清武 弘嗣(ハノーファー/GER)
それから原口。彼もドイツでしっかり先発でプレーしていますね。
おそらくこの試合でですね、他の選手はですね、火曜日(22日)にしか着けない選手がいるんですね。長い移動をする選手がいますね。
もしかしたら私のゲームプランを少し変更するかもしれません。この原口はもしかしたら真ん中でできるかな、と。今現地でやっている役割とは違うものを求めるかな。
彼は中盤でもできるんじゃないかな、と。まずボールを奪うところ、それから前へ関わるところ。半分は守備、半分は攻撃という役割ですね。原口はそういったクオリティがあると思いますし、それからもっと得点を取ってほしいなと思っています。
それから香川真司ですけども、ドイツのビッグクラブでかなりの競争に入っていますね。自分の先発を勝ち取るために今戦っているところです。彼とディスカッションをして、かなりのことを話してきました。
彼も常にプレーはしたいと言っていましたが、残念ながら向こうでは奪えないしA代表でも奪えるかはわかりません。ドルトムントではパフォーマンスは高くないと先発は奪えません。
清武は怪我から復帰しました。香川真司と同じ役割ですね。最後の30mのオーガナイズ、最後のラストパスのところの役割を担わなければいけない。ここ直近の4試合で90分出ていますね。
前回我々と一緒ではなかったですけども、戻って我々と一緒にやってほしいなと思っています。これらの試合に彼のクオリティが必要だと期待しています。
守備的ハーフとオフェンシブハーフですね。我々が選ぶ選手はよりオフェンスに働きかけている選手ですけど、これらの選手を使ってしっかり得点を取らなくてはいけません。ただ、それぞれディフェンスの役割もあります。
それでは攻撃陣にいきましょう。何人か新しい選手がいます。
フォワード
本田 圭佑(ミラン/ITA)
小林 悠(川崎フロンターレ)
宇佐美 貴史(ガンバ大阪)
岡崎 慎司(レスター/ENG)
金崎 夢生(鹿島アントラーズ)
ハーフナー・マイク(ADOデン・ハーグ/NED)
本田圭佑。彼は今、常に先発で出ています。嬉しいですね。ACミランというところでかなり競争は高いと思いますけども、ただ彼はミランでは右サイドハーフですね。
ただA代表ではFWとしてもっと前でプレーしてほしい。全く違う役割を要求することになります。彼のポジションはミランよりももっと高い位置。特に背後、オブリックランニングを使って16mの中に入っていってほしいな、存在感を出していってほしいなと思います。
体の状態も良いですし、戦術のところも彼はしっかり戻っているし、守備面でもかなりの役割を果たしています。ただA代表では中盤というよりはFWで使いたいなと思っています。
小林は少し新しい選手ですけども、彼も数ヶ月見続けてきました。偶然ここにいるわけではないです。前節得点を取ったからいるわけではないです。彼にもチャンスを与えたいなと思っています。
前回のミニ合宿でもかなりのクオリティを見せてくれました。A代表で得点を取れる稀な選手かな、と。右サイドでプレーできるんではないかな、と。もしかしたら真ん中もできるかなと思います。そして彼はゴールゲッターとしてのクオリティがあると思います。我々が足りなかったところではないかな、と。
ここ最近ちょっと病気をしてましたけども、インフルエンザにかかったと。トレーニングを開始していると聞いていますし、しっかり合宿に参加してどのような状態なのかなというのを見たいと思います。
ただミニ合宿で本当に良いクオリティを見せてくれたので、我々スタッフで分析してこの24人に入る資格があると判断しました。
宇佐美はもう皆さんがよく喋られている通りだと思います。本当にタレント、能力がある選手ですね。ただ、能力だけでは十分ではない。
たくさんのことをして向上していると思います。本当に努力をしている選手なので。日本のフットボール界にはこのようなタレントを持った選手は少なく稀なので、我慢をしながら励ましながらやっていかなければいけないかな、と。
そして岡崎。クリアしたいなと言っていたらしいんですけど、実はゴールになってしまったと(オーバーヘッドのこと?)。
本当に模範的な選手だと思います。どこをやっても良い選手だと思います。
彼とはちょっと冗談を言うんですけど、『君はレスターにいる時は守備的MFだね、もしくはセンターバックだね。A代表では違うよ』という話をします。
A代表ではレスターと全く違う役割を要求します。このチームでやってほしいことは本当にたくさんあるんですけども。
私のサッカー人生でも稀な選手です。このように頑張る選手はですね。チームのために力強く、自分だけのことを考えずチームのことを考える選手は稀だと思います。本当に素晴らしい、模範になれる選手だと思います。
ただレスターとは違う役割をA代表では求めたいと思います。ゴールを取ってほしいなと思います。今シーズン、もっと取ってほしいなと期待しています。
我々が戦っている予選の中でですね、誰が一番点を取っているかというと本田がようやく7位、8位くらいで点を取っているという状況ですね。つまり、本田以外に点を取れるFWを我々は見つけないといけないということですね。A代表はもっと点を取れる選手が望ましい。
金崎夢生ですけども、彼も少し新しい選手。
彼もチャンスを掴んでほしいなと思います。彼も運動量が多いですし、興味深い選手です。本当にたくさんポジションを移動します。そして頑張り屋ですね。ただA代表では少し中央に残っていてほしいなということを要求します。クラブとは違う要求をしていますから。
そしてストラテジックゾーンを使って得点を取れるところに入ってきてほしいな、と。彼のクオリティをしっかりA代表にもたらしてくれるかな、と思います。特にゴールを取るというところですね。
(ハーフナー・マイクについて)それからまた新しい選手ですけども、今のところ13得点を取っている選手ですね。
身長がある選手。我々のチームにはここまで高い身長の者はいない。このようなFWを使った場合、彼に向けたプレーというものが必要になってきます。特に頭ですね。ヘディングのところが興味深いなと思います。
そして彼がどのような発展を遂げているかを見るために呼んでいます。どのようなチームでもこのような頑張る選手がいるんですけども、彼もしっかりチャンスを掴んで様子を見てみたいなと思います。彼と話をした時にはやる気もあって野心もあって、A代表にまた戻ってきたいという話をしていました。
そして彼を使う時にはオーガナイズを変えてですね、彼がしっかり合わせられるようなオーガナイズをして得点を取っていかないといけない。彼はスピードが速いとかパワーが強いというわけではないです。つまり、様子を見ていかないといけないということですね。
6人のFWですね。真ん中に少し選手を置いています。
私が準備した中で、少しアイディアがあります。この2試合でおそらく2つ違うオーガナイズを使う可能性があります。
これはまだ可能性というところで頭の中で考えている段階なんですけども、ただ選手に大きなメッセージというよりは2つの勝利が必要。そして野心とやる気と次への準備というところですね。我々の選手のことを本当に信頼しています」
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