ほぼすべての部品を3Dプリンターでつくった半自動小銃の動画が公開された。米国の銃規制法では、認可がなくても自由に銃を製造できるが、販売や譲渡を目的とする場合、連邦政府の免許が必要となる。

1月31日(米国時間)、ウエストヴァージニア州の「ダーウッド」と名乗る大工が、自作の「シャティー(Shuty)MP1」の動画を公開した。

「3Dプリンターで自作した半自動小銃の威力(動画あり)」の写真・リンク付きの記事はこちら

口径9ミリの半自動式の小銃で、ほぼすべてが安価なPLAプラスチックを3Dプリントしてつくられている。金属が使われているのは鋼鉄の銃身とバネのみだ。

この銃は、3Dプリンターでつくる銃の進化を物語っている。米国の非営利団体「Defense Distributed」は2013年、世界初のシンプルな3Dプリンター製の拳銃リベレーターや、「AR-15」(M16自動小銃)の部品「ロアレシーヴァー(下部フレーム)」を3Dプリンティングで作成したモデルを発表した。それから3年足らずの間に、3Dプリントの銃は急激な進化を遂げている。

シャティーMP1のロアレシーヴァーはAR-15がベースになっているようだが、アッパーレシーヴァーはAR-15よりはるかに小さい。

ダーウッドはFOSSCADというグループの一員だ。FOSSCADは「オープンソースのCAD、3Dプリント、素晴らしいもの、そして銃のデータを愛する」人々の集まりだという。ただし、ダーウッドはCADファイルを公開しておらず、今のところ、シャティーMP1を自由に複製することはできない。

1968年に制定された米国の銃規制法(PDFファイル)では、認可がなくても自由に銃を製造できることになっている。ただし、販売や譲渡を目的とする場合、連邦政府の免許が必要となる。

ダーウッドは本サイトの取材に応え、「この銃の製作を開始したのは1年ほど前。まだ完成していません」と説明した。1月24日には、組み立ての一部始終を紹介する動画も公開している(文末に掲載)。

ダーウッドはWIRED USの取材に対し、シャティーMP1は完璧ではないと答えている。冷却せずに使い続けると、18発目ころから、銃身を覆うプラスチックが溶け始めるようだ。

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