ソネットが、維持費0円で利用できるSIMカード「0 SIM(ゼロシム)」の提供を開始している。
昨年末、話題になった「デジモノステーション(2016年2月号)」の特別付録「SIMスペシャルスターターパック『0 SIM by So-net』」の正規サービス版ともいえる。

今回提供を開始した「0 SIM」の最大のポイントは、LTEデータ通信を、毎月500MB未満なら無料で利用できる点だ。
また500MBを越えて5GBまでなら月額1,600円で利用できる。5GBを超えると速度制限がかかるが、追加チャージすることで高速通信を引き続き利用することも可能となる。

主な特徴は以下の通り
 ・毎月500MB未満なら無料で利用可能
 ・500MB以降は100MBごとに100円の従量制
 ・2GB(1,600円)で課金はストップ、以降5GBまでは1,600円で利用できる
 ・5GB以降は速度が制限される(自動課金はされない)
 ・5GBの高速通信も、追加チャージにより可能
 ・提供エリアはNTTドコモのXi・FOMAサービスエリアに準ずる
 ・SIMの形状は標準SIM、microSIM、nanoSIMの3種類
 ・SMSプラン、音声付きプランもある(月額料金が必要)


大手キャリアのパケット定額プランは、一番少ないものでも2GB/月。それと比較すると、「0 SIM」の500MB/月は4分の1とかなり少なめだ。
とはいえ、1,600円で5GBまで高速通信できるので困ることはないだろう。
また、手動で追加チャージしない限りは、それ以上の課金もされない。
使い方によっては、大手キャリアの3,500円/2GBと比べて、かなりお得なプランと言える。

では、このサービスは、どんな使い方が適しているのだろうか。

「0 SIM」を活用するには、2つの使い方を意識して使うのがポイントだ。
・0円で済ます   月500MB以内で使う用途と方法
・1,600円で済ます 月5GBまで使える容量を活用する方法

・0円で済ます:子どもやシニアなど、スマホデビュー前のお試し用として
ガラケーからスマホに変更したい子どもやシニアが“お試し用”として使う方法だ。
まだ使い方に慣れていないため、使用時間の制限や利用時間が少ないことが多いからだ。
実際の大手キャリアのスマホに乗り換える前に、機種変更後の使っていない古いスマホなどに「0 SIM」を入れて使うことで無駄なく試すことができる。また、もし使いすぎても、月1,600円までで済むので安心して試せる。
ただし、あまり古いモデルだと「スマホは遅くて使いにくい!」と感じてしまうので、1世代前のスマホに絞るなど、使うスマホには注意したい。

・0円で済ます:メインスマホの予備、用途別の使い分け用として
メインのスマホの予備として、旧機種に「0 SIM」を入れて使う方法だ。
外出先でのメインスマホのバッテリー切れ対策や、利用するアプリやサービスを分けて活用すると便利だ。
例えば、サブスマホでは、メッセンジャー相手や使うアプリ、SNSを限定して使うといった方法だ。
メインスマホがバッテリー切れや、急な故障、紛失した場合も、予備機が手元にあれば「Androidを探す」アプリなどで探したり、IP電話で通話したりすることもできる。

・0円で済ます:SIMフリータブレットで利用する
ゲームや動画視聴など、タブレットを活用している人も増えている。タブレット利用では、外出先では通信を利用しないゲームに限定したり、Wi-Fi環境で動画のダウンロードをしたりしている人も多い。
しかし、外出先で、通信が必要なログイン認証や連絡でモバイル通信が必要になるケースは多々ある。
SIMフリータブレットで「0 SIM」を利用すれば、不意の通信が必要なときも解決できる。

・1,600円で済ます:パソコンやタブレットのテザリング用に活用する
パソコンやWi-Fiタブレットを利用している人なら、「0 SIM」をテザリング用として活用する方法だ。
Wi-Fiルーター的な使い方だ。LTE対応ゲーム機を外でも楽しみたいという場合にも活用できる。

・1,600円で済ます:パケット定額プランの最小容量で毎月のデータ通信量が足りている人
それほど外出先で通信をしない人、大手キャリアの最小プランで足りている人は、メイン使いに変更する方法もある。
もちろん、SMSや音声通話サービスの利用には、追加の基本料金が必要となる(後述)。

いずれにしても、「0 SIM」活用のポイントは、職場や家庭内などでWi-Fi接続が利用できることが重要となるだろう。
逆にWi-Fi環境が整っていない人は、すべてをモバイル回線で行うので、「0 SIM」の0円をうまく活かせないといえるだろう。

さらに、確かに「500MB未満なら維持費0円」ではあるが、下記のことにも注意してほしい。
 ・登録事務手数料として、初期費用3,000円が必要
 ・開通手続き時にクレジットカードの登録が必要
 ・500MBを超えると1,600円までは自動的に課金される
 ・3カ月間、データ通信がない場合は自動的に解約となる(音声プラン除く)
 ・SMSプランは150円/月、音声プランは700円/月が必要
 ・SMS利用には3円〜/1通、通音声通話には20円/30秒が必要
 ・音声プランの場合は最低利用期間(12カ月)や途中解約違約金(5,200円)がある


「0 SIM」は、0円で使えることが大きな魅力。
しかし、0円で乗り切るためには、通信量など利用状況をチェックしておく必要がある。
面倒かもしれないが、一度確認して、把握さえすれば、「0 SIM」を0円活用するのも、決して難しくはないだろう。


内藤由美