U−22日本代表候補は25日、佐賀市内でトレーニングキャンプを開始した。この日は、24日に試合が行われたJ1リーグの選手が先に集合。発熱を訴えたDF岩波拓也(ヴィッセル神戸)を除く14人が練習に参加した。

 手倉森誠監督を中心に3分間の屋外ミーティングを行い、練習がスタート。前日の試合に出場したMF遠藤航(湘南ベルマーレ)、MF大島僚太(川崎フロンターレ)ら9選手はコンディション調整を中心に約1時間程度、体を動かした。出場時間が短かったFW鎌田大地(サガン鳥栖)ら5選手はパス回しなどを実施。練習後には、駆けつけた約400人の観衆にファンサービスを行った。

 リオデジャネイロ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねたAFC U−23選手権カタール 2016を約3カ月後に控え、手倉森監督は「ここに来ている時点で『オリンピックに出て勝ちたい』との思いで取り組んでくれ、と全員に話しました。今は、(代表選手に)選ばれたいというだけで活動してもらっても遅い」と語る。

 今回は、DF中野嘉大(川崎)、DF中谷進之介(柏レイソル)、DF三竿健斗(東京ヴェルディ)、MF関根貴大(浦和レッズ)の4選手が初招集。選手の口からも「サバイバル」という言葉が出てきたが、指揮官もまた「健全な正しい競争は良いチームにはなくてはならない。今回は新しいメンバーを含めて、いつもよりも多く呼んでいます。自然と良い競争が育まれるだろうし、そこは期待しています」とチーム内の競争を歓迎した。

 27日には福岡大学と、29日には鳥栖と練習試合を行う。手倉森監督は「やっぱり対外試合がチームの完成度を一番確認しやすい」と、選手一人ひとりのコンディションを見ながらの起用になるが、基本的にはほとんどの選手を両試合に出場させる予定。「今、リーグ戦は佳境だが、代表選手にはその後が待っている。リーグ戦が終わった時点で頭も体も休まれたら困るので、今のうちに分からせないといけない。だから『選ばれたい』という意識ではなく、『選ばれたつもりでやれ』と伝えました」と語気を強めた。26日の練習からはJ2勢も合流。来年1月のリオ五輪最終予選に向けて、チームの底上げと選手の見極めを図る。

文=高尾太恵子