現代にも「ARROWS」という日本語で「弓矢」という意味になるスマートフォンがあるが、この時代にスマートフォンがあったならば、もっとスマートな矢文を送ることができただろう。



ちなみにこちらがNTTドコモの2015年夏モデル「ARROWS NX F-04G」だ。

このスマートフォンも最新の通信技術「PREMIUM 4G」に対応している。複数の周波数帯を束ねて通信速度を向上させる技術によって、人が多い場所でも安定して高速で繋がる。



そして「ARROWS」はIris Passport(アイリス パスポート)という、瞳の虹彩(こうさい)で認証するシステムを搭載している。もし江戸時代にこの技術があったら、矢文の内容を父親に勝手にみられる事も無かったはずだ。




明治時代

時代はさらに現代に近づく。明治時代。この時代の恋人たちの愛する二人の連絡手段はどのようなものだったのだろうか。明治時代には一部の施設だけに次のような電話が開設されていたが、家庭用の電話はまだ普及していない。



電話をできる人は非常に限られており、恋人両方が電話を持ち、話せるなんてことは夢物語だった。

そんな彼女に思いをよせる男性がいる。彼は彼女に愛を伝えたいけれど電話がない。直接彼女の目の前で伝える必要がある。しかし、彼は恥ずかしがり屋だ。メールやSNSがない時代は今よりも告白に勇気が必要だった。



恥ずかしがり屋で直接思いを伝えることができない彼は、水兵なので手旗信号で彼女に「アイシテル」と伝えた。ブレーキランプ5回の点滅はアイシテルのサイン、みたいなことだ。



彼はバッチリ決まったつもりでいる。




問題は誰もが手旗信号を読み取れるわけではないという点だ。彼女は「こいつなにやってんだ?」という表情を浮かべている。このようなサインは知っている者同士ならば伝わるし、なんとなくカッコよくも感じるけれど、知らなければ、庭先で旗を振っているただの変な人だ。




もしもこの時代にスマートフォンがあれば、かわいい彼女があんな険しい表情をしなくても済んだだろう。メールでもSNSでも告白することができる。いかに最新の連絡手段が素晴らしいかが分かったのではないだろうか。

昭和時代

時代はさらに進み昭和。このくらいの時代からは知っているものが多く登場するのではないだろうか。テレビや冷蔵庫、洗濯機が三種の神器と言われた時代だ。







それでもまだうちわを良く使っていたこの頃。時間はゆっくりと流れていた。




ダイヤル式の黒電話がこの時代の連絡手段。麦茶を飲みながら、そうめんやコロッケを食べ、テレビで野球観戦。この時代を代表する風景だ。当時の恋愛問題にも電話は大きな影響がある。





だいたいの家庭には電話があったけれど、電話に出るのは必ずしも彼女とは限らなかった。親が出ることが普通だったのだ。娘宛に若い男性から電話がかかってくれば、当然、父親は烈火の如く怒鳴った。ウチの娘に何の用だ、と。



その怒鳴り声を聞いた娘が、電話に気がつきやってくるが、なかなか父親は電話を渡さない。家族内での争いが起こるのだ。これも当時の代表的な風景。父はこの電話争奪戦に勝つために、体を鍛えたそうだ。