朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)5月30日(土)放送 第54話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:西村武五郎

第9週「再出発エンゲージケーキ」のラストは、一徹(葉山奨之)とみのり(門脇麦)の婚約パーティーと、徹(大泉洋)と藍子(常盤貴子)の離婚、圭太(山崎賢人/崎の大は立)と一子(清水富美加)のハッピーなはずなのになんだかもやもやした関係など悲喜こもごも。
とくに圭太。このひとはいったい何がしたいのか。せっかく一子がみのりに感化されて夢を求めて大阪へ行くと決意を語っているところに、希(土屋太鳳)は仲間で、好きなのは一子と言い、「おれはいっしょにおりたい。」と抱きしめて一子の気持ちをぐらつかせます。
支えてほしくて甘えてるの? 単に若さゆえの性欲のはけ口? 圭太の真意がわかりません。いろいろ台詞で説明してしまうわりに、こういうところが説明不足なのは、大切なことは言葉にしないという高志(渡辺大知)の歌のようなもの?
じつは、圭太は、一子が無理して大阪に行くと言っていることに気づいて、止めるために告白アンドハグしたのならいいやつだけれど、それを、希ほか、みんなに聞こえるところでやるのはデリカシーなさ過ぎでは?
「何か うち・・・2回失恋したきやするげんけど。」と希。切ない・・・。
いや、待てよ、え、まさか、圭太、ここまで計算して? 希に覚悟をもたせるために? もう、そういうふうにでも想像しないとやりきれません。
藍子は、希が不合格だったことに気づいていたし、圭太も気づいてないとも言えませんし。もしや大輔(柳楽優弥)が皆にちくって行ったのかも。ちくりはみのりの専売特許ではないとばかりに。
と、いろいろ妄想膨らむ9週の終わりでした。
次週、いよいよ、父と娘の横浜編へ。

今日の、小姑ツッコミ


「3年で結果出して必ずもどってくる。そしてまたお前にプロポーズする。もう一度 おれと結婚してください。」と藍子に言う徹。
いま、しちゃってるじゃん、再プロポーズ! 
そして藍子も「はい。」って。
・・・なんですか、これ? 結局、何も捨ててないじゃないですか!
 「まれ」における“覚悟”ってものすごく軽い。まるでメレンゲのお菓子みたい。
こういうふうに「家族」や「仲間」に依存し合い、目標が達成できないひとたちを描くシニカルなドラマなのでしょうか。
(木俣冬)

エキレビ!にて月〜土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから

タイトルバックに驚いた。NHK朝ドラ「まれ」1話をレビュー

お金がなくても生きていける「まれ」連続レビュー2話

朝ドラファンなら大泉洋と能年玲奈との共演作をチェックすべし「まれ」3話

ダメ男たちのドラマなのか「まれ」4話

いつも笑ってる家族が欲しかったら 自分でみんなを笑わせてみよう「まれ」5話

いよいよ土屋太鳳(本名)登場「まれ」6話

公務員の魅力をキラキラ語る土屋太鳳「まれ」7話

田中裕子の魔性について考えてみた「まれ」8話

「あまちゃん」との違いは時間の描き方なのかも「まれ」9話

本当の駄目人間とは「まれ」10話

こわくても夢をかなえたい「まれ」11話

地に足のついた「夢」を「まれ」12話

祭りん時の女の言葉をちゃ鵜呑みにしたら駄目やわ「まれ」13話

大泉洋の詩的な身体「まれ」14話

貧しいならではのお菓子作りを決意。名言炸裂「まれ」15話

いきなり見込みがあるかどうか聞いてくるようなやつには見込みなんかない「まれ」16話

常盤貴子演じる希のお母さんの驚愕の過去「まれ」17話

「聖者の行進」とは何の暗示か「まれ」18話

なあんもせんかったら怒られもせんけど仕事も覚えんわいや 「まれ」19話

大泉洋、門脇麦、田中泯、板尾創路…俳優たちの名言合戦「まれ」20話

やっぱり本当の家族が強いのか「まれ」21話

希家族、引っ越す「まれ」22話

ビジネスチャンスは規則の外にあるんだよ「まれ」23話

文さんクイズとは何だったのか「まれ」24話

タイトルに秘められた謎「まれ」25話

不吉な予感の「まれ」26話

国が悪いんげんよ「まれ」27話

「俺は漆にかぶれるんだ」板尾創路真骨頂「まれ」28話

金八の腐ったみかん、加藤登場に騒然「まれ」29話

漆もミルフィーユもレイヤー化する社会の象徴なのか「まれ」30話

フランスからおばあちゃん登場「まれ」31話

口ではなく手で「まれ」32話

卵は入れる前に常温に戻しておく「まれ」33話

夢と家族の大事さは比べられない、次元が違う「まれ」34話

妻が夫を駄目にする「まれ」35話

戸田恵子の完璧な「あ」「り」「が」「と」「う」「まれ」36話

テレサ・テンの歌が染みた「まれ」37話

希、家族との別れ「まれ」38話

石原さとみに負けてない。土屋太鳳の唇から目が離せない「まれ」39話

愛だけでは困ります「まれ」40話

お菓子バカに弟子入り「まれ」41話

希、ファーストキスを奪われる「まれ」42話

キス→結婚→子供…恐ろしきは田舎の情報伝達「まれ」43話

脚本のさりげない巧さを解析「まれ」44話

駄目な人間ほど働かん言い訳や上手ねん「まれ」45話

このまま「地道にコツコツ」でいいのかな「まれ」46話

希が女になってしまったらどうしよう「まれ」47話

うーん。謎過ぎる演出も危機的か「まれ」48話

朝ドラヒロインへの批評のような「まれ」49話

このドラマ、イライラさせる戦犯は誰「まれ」50話

謎演出担当が「あまちゃん」感動回と同じひとである衝撃。お願い、あの感覚に立ち戻って「まれ」51話

え、また応援するの?「まれ」52話

茶番だ。茶番過ぎる「まれ」53話