曲調は今までのミスチルにない感じだが、疾走感を感じさせるもの。イントロやソロ部分で田原さんのギターが光る曲なので、田原さんファンには堪らない曲だと思う。

6. 斜陽 昨年のFNS歌謡祭でも披露されていたが、この曲も今までのミスチルらしくない曲調。ロシア民謡のような、郷愁を誘う曲だ。

7. 蜘蛛の糸 「美しく妖しい大人のバラード」と桜井さんが紹介したこの曲は「CANDY」、「ロザリータ」のようなピアノ主体バラード。この曲はまさにミスチルの王道をいくラブバラードだ。かつてbank bandでカバーした中島みゆきさんの「糸」と同じく恋する相手を糸に例えた歌詞が印象的だ。

また、MCで「斜陽」と「蜘蛛の糸」がそれぞれ太宰治と芥川龍之介の作品に由来していることを明かした。(桜井さんいわくこの2つは「文豪シリーズ」)

8. I can make it 今までのミスチルにない曲調でロック色が強くしゃがれ声で歌っていたのが印象的。しいて挙げるとしたら「Love is blindness」のような歪んだ曲調だ。
「プレッシャーの前に引っ込めるアイデア」という歌詞があり、桜井さん自身の創作者としての苦悩が表れているのではと感じる。かつて桜井さんは作詞したものには自身の深層心理が出ると語っており、同時期に「足音〜Be Strong」の制作にかつてないほど悩んだことなどが歌詞に表れたのではないだろうか。

9. 放たれる リリース版とは異なり、イントロが流れた後の桜井さんの歌いだしはアカペラに近い形だった。

10. 花 -Memento-Mori- 桜井さんが1番のみをアコギで弾き語りした。また、映画ではカットされていたが、ファンクラブ会員限定ツアーの札幌公演では「1/6の夢旅人2002」(北海道が生んだ名番組「水曜どうでしょう」のテーマ曲)も歌ったらしい。まさにこれを聞いたのは当日会場にいたファンのみの特権だ。

11. 進化論 NEWS ZEROのテーマ曲になったこの曲。桜井さんはMCで「進化論の新説で"前の世代の努力がどこかに受け継がれる"というものがある。その新説には、頑張ったことが結果として今の世代では上手くいかなくても次の世代に受け継がれるという希望がある」と説明した。文学といい進化論の説といい桜井さんの関心は広く、それを歌にしてしまうのが凄いところだ。

12. 足音 「聴いてほしい、聴こえてほしいこれが僕らの新しい足音」との桜井さんの声とともに演奏が始まった。改めてこの曲にはミスチルが新しい一歩を踏み出すという並々ならぬ決意を感じる。かつて活動休止後の初シングルとして「終わりなき旅」をリリースしたが、この曲もそれに近い、これからも歩み続けるのだというメッセージが感じ取れる。

13. 幻聴 この曲は過去の作品でいうと「蘇生」や「擬態」に近い曲。早くもファンからの評価は高く、ライブで歌われ続けるんだろうなという名作だ。ファンクラブ会員限定ツアーでは初披露にも関わらず、曲中での観客とのコール&レスポンスが完璧だった。ライブではこの曲がアンコール前最後の曲となる。

桜井和寿インタビュー 映画ではここで桜井さんのインタビューが入る。「自分は作り手だが、他のメンバーは聞き手の視点を持っている。だから他の3人を信用して意見を尊重している。」と語った。
確かに桜井さんは曲にも積極的にメンバーの意見を反映させるし、プロモーション方法などに関しては他のメンバーが主張するという。桜井さんの他メンバーへの強い信頼がうかがえた。

14. 口笛 「ファンクラブ会員が選ぶライブで聴きたい曲ランキング」の1位になったこの曲を披露。ちなみにこのランキングを見るとベスト10に「旅人」、「heavenly kiss」、「one two three」、「渇いたkiss」、「UFO」など隠れた名曲揃いであり、さすがはファンクラブ会員と言ったところか。