先日、フジテレビが生放送し高視聴率を稼いだAKB48の総選挙。来年も開催するというが、それに疑問の声が寄せられている。
 ある参院議員がCD1枚につき投票権1票がつくCD販売手法を「いかがなものか」と問題提起したのだ。
 〈「総選挙」の投票権を金で買うという点は、コンプガチャと同様の問題があると考えます。同じCDが投票のため何枚も買われていると聞きます。どうやって規制するかは難しいのですが、「一人一票」を選挙管理規則に規定すべきでしょう〉
 これにファンから抗議が殺到、その議員のブログは炎上した。

 ただ、ちょっと待ってほしい。ネットにアップされて話題になったが、一人のファンが5500枚(1枚1600円のため計880万円)も購入する行為は、やはり正常とはいえないだろう。祖父が大量買いする孫を見て困惑し、消費者相談室に頼ったり、夫の大量買いのせいで離婚した夫婦もいる。AKB48のCD問題は、一部社会問題化していることは否めない。
 また、聴かれないCDは不法投棄されている。街のゴミ捨て場に、開封されないままのCDがつめられたダンボールが積まれて捨てられている。
 この問題、コンプガチャとは違うという意見もあるがそうだろうか。盲目的に何かに狂い、有り金をすべてつぎ込む行為は、コンプガチャと根っこは同じといえまいか。

 中には多額の借金をしてCDを買い込むファンもいるという。クビが回らなくなり、自殺者が出てから初めて問題にするのでは遅い。先の議員の意見は決して無視すべき問題ではなかろう。テレビも早めに、CD販売の功罪を特集すべきだ。
(編集長・黒川誠一)