W杯優勝は叶わずも若手に思いを継承 「ふさわしい奴は今回のW杯で何人か見つけている」

 日本代表は現地時間2日、ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でベルギーに2-3と逆転負けを喫し、日本サッカー史上初のベスト8進出は叶わなかった。

 かねてより今回のW杯がラストと公言していたMF本田圭佑は、ベルギー戦後に「意志を若手に引き継いでもらいたい」と“W杯優勝”の夢を後輩に託している。そして、その魂を受け継ぐかのようにMF原口元気が「4年あれば狙える」と表明した。

 ベルギー戦後、本田は「4年後は見られない。それはハッキリしている。後はしっかりと伝えたい」と代表引退を示唆。2010年南アフリカW杯を皮切りに3大会連続出場を果たした本田は、ベルギー戦の後半36分から出場し、MF中村俊輔に並ぶ歴代8位の代表通算98試合出場に到達した。

 グループリーグ初戦コロンビア戦(2-1)で1アシストをマークし、第2戦セネガル戦(2-2)で貴重な同点弾を決めて3大会連続ゴールも記録。「このW杯に関しては途中出場という役割でしたけど、ベストを尽くした」と本田は言い切っている。

 本田は以前より「W杯優勝」を目標に掲げてきた。出場するからには最高の結果を狙うべきという考えからだが、ラストW杯でその夢は叶わずに終わった。ベルギー戦後、「優勝を目指してそれができなかった。意志を若手に引き継いでもらいたい」とバトンを後輩たちに託したが、まるで自分の魂を受け継ぐ“後継者”を見つけたと言わんばかりのコメントも残している。

「今日出て活躍した選手の誰かが、誰に何を言われても優勝と言い続ける奴が次の代表を引っ張っていくんだろうなと思う。それにふさわしい奴は今回のW杯で何人か見つけている」

「2カ月で自分たちはここまで来れたんだから…」

 そのなかで本田は「まだ優勝と口にする若手がいない」と口にしていたが、大会直後に後継者の一人がすぐさま現われた。その男は、ベルギー戦で50メートルのスプリントから先制弾を叩き込んだ原口だ。早くも2022年カタールW杯を見据えている27歳のアタッカーは「まだ4年ある」と切り出すと、次のように続けた。

「2カ月で自分たちはここまで来れたんだから、4年あれば優勝を狙えるチームを作れる可能性はある」

 4月にバヒド・ハリルホジッチ監督が電撃解任され、西野朗監督が緊急就任。ロシアW杯まで残り2カ月というなかでの監督交代劇となったが、チームは短期間で急成長を遂げた。当事者の一人である原口の中には「2カ月でここまで来れた」という確かな感触があるようだ。だからこそ、4年後のW杯に期待を膨らませる。

「あの差を見たらすぐに優勝狙いますとは言えないけれど、可能性がゼロじゃない限り、4年後はそこ(W杯優勝)を目指してやっていきます」

 W杯優勝を目指してやっていく――。原口は本田の意志を受け継ぐように宣言した。(大木 勇(Football ZONE web編集部) / Isamu Oki)