博報堂アイ・スタジオは、9月1日よりIoTデバイスを活用したアウトドアインフラ「TREK TRACK」を一般登山者向けへのサービスを開始します。8月18日より予約受付を開始しており、8月20日には瑞牆山(山梨県)にて、一般登山者に向けた 無料体験イベントが行われました。

【ギャラリー】TREK TRAC (26枚)

「TRECK TRACK」は、IoTデバイスと長距離無線通信技術であるLPWAを組み合わせ、山岳地帯における人の位置情報を可視化・集中管理し、山岳事故の減少を目指すサービス。まずは山梨県北杜市奥秩父 瑞牆山にて運用を開始します。

登山者自身の行動記録はもちろん、家族や山岳管理者がリアルタイムにデータを参照することができ、安心と安全を提供します。万一の事故や病気などの際には、「HELP」ボタンを押す事でTRECK TRACK運営事務局にHELPコールを送ります。24時間365日データを確認する事で、有事の際に救助などで位置情報の活用が期待されます。



博報堂アイ・スタジオの川崎純平氏は、TRECK TRACKの開発、提供に関して、山岳地帯におけるアクティビティにて、安心と安全を提供したいとしています。アウトドア人口は800万人とも言われているなかで、遭難事故も昨年度には2495件、そのうち死亡は319名と10年前と比べて約2倍に及んでおり、その理由を単独での登山者が増えたこととしています。



遭難などへの対策として市販されているものはGPSですが、GPSデバイスは高額なので、一般登山者が購入することは少ないそうです。また、その情報は自分しか参照できないため、家族やパーティーメンバーがルートを外れたりはぐれた遭難者を追跡したり位置を把握することもできません。さらに、山岳事故のでの通報に関しても、16時に事故にあった場合、家族が気づいて通報するのが23時くらいと後手後手に回ってしまい事態が悪化することが多いのだそうです。



TRECK TRACKは、必要な時に安価にレンタルすることができ、乾電池で3〜4日稼働します。位置情報は、家族や山岳ルートの管理者などがWebやスマートフォンで参照することができます。 一つの基地局(受信機)につき半径10kmをカバー。登山ルートによって複数設置することでエリアをカバーします。消費電力も少ないので、ソーラー発電で賄うことも可能ということです。



このサービスを使うメリットは、もしも事故にあったとき、遭難したときに「HELPコール」を行うことで、手早く家族や緊急連絡先に状況を知らせるられ、早期救助につながることが期待できる点。利用者家族も、利用者の位置を把握できるため、たとえばずっと位置が動かない、ルートを外れていると思った時に、状況確認の連絡を試みることができ、常に安心感を得ることができます。

一方で山岳管理者は、登山者の位置状況を把握することで、道に迷いやすい場所を確認、案内を強化したり、滞留しやすいポイントを特定するなど登山道の整備にも活用できるとしています。



TREK TRACKは、瑞牆山など一部エリアより段階的にサービス開始され、オープン記念として無料で使えるキャンペーンを実施中です。

専用デバイスで行動データを把握

電源を入れて、携行するだけで携帯圏外エリアでも数分に1度、自動的にGPS情報がサーバに送られます。各端末の情報は、サーバで集中管理され リアルタイムな位置情報のの把握や、有事の際の自身の位置情報の伝達ができます。

行動データをWebで確認

Webサイトや専用アプリで、収集された行動データを確認することができます。個人だけでなく山中のどこにどれだけの人がいるかなどが確認でき、家族や山岳管理者が山の状況をリアルタイムに把握することができます。

「HELP」ボタンで救助要請が可能

端末のHELPボタンを押す事で、TRECK TRACK事務局へ位置情報とHELP信号が送信されます。TRECK TRACK事務局は、1時間以内に規定の手順に従って登録された家族や知人などの緊急連絡先に連絡するなどの安全対策を実施します。(それ以降の救助要請などは、連絡を受けた家族などの判断になる)