任天堂が、スマホを見ずに『ポケモンGO』が遊べるアクセサリ 『Pokémon GO Plus』の発売を当初予定の7月から9月へ延期することを発表しました。理由は「準備に遅れが生じておりますため」。

ポケモンGO Plus は、手首やポケットなどに身に付ける小さなウェアラブルデバイス。近くにポケモンやポケストップがあると振動と光で知らせてくれます。ボタンを押せば、スマホを操作しなくてもポケストップからアイテムを取得したり、確率でポケモンを捕まえられるという、ポケモンGOトレーナーには夢のような製品です。

Pokémon GO Plus は、2015年9月にゲーム Pokémon GOと同時に発表された連携アイテム。スマートフォンとはBluetooth Low Energy で常時接続しており、スマホを見なくても、スリープ状態でかばんやポケットに入れていても使えます。

開発と販売は任天堂。ポケモンといえば任天堂というイメージですが、ポケモンのゲームや関連グッズ、映像化などを一手に扱うのは「株式会社ポケモン」。一大産業に成長したポケモンのライセンシングや事業展開をしやすくするため設立された会社です(任天堂の子会社ではなく持分法適用会社(32%)。ほか株主は開発会社のゲームフリーク、クリーチャーズなど)。

一方、株式会社ポケモンと協力してポケモンGOの開発・配信・運営を担当するのは、位置情報ゲーム Ingress で有名な米国のNiantic, Inc.。Google (現Alphabet)の社内スタートアップとして始まり、2015年にはGoogleや任天堂からの出資を受けて独立した会社となりました。

ポケモンGOの場合、ゲームは株式会社ポケモンとナイアンティックが、アクセサリのポケモンGO Plus は任天堂が販売します。昨年の発表によれば、ポケモンGO Plusの開発には任天堂の宮本茂氏もかかわったとのこと。

ポケモンGO Plusの価格は税別3500円。歩きポケモンGOによる事故やトラブルが多数報告されているだけに、またスマホを操作せずポケモン捕獲やアイテム補充はトレーナーにとって非常に魅力的なだけに、発売延期は残念な知らせです。

とはいえ、開発・運営元ナイアンティックのCEOジョン・ハンケ氏もまったく想定外だったという現在の熱狂的ポケモンGOブームを思えば、仮に当初見込みの倍の生産数量を出荷できたとしても、10倍どころではない高額なプレミアムつきで転売される幻のアイテムになるだけかもしれません。