(ベルリン中央社)中華民国(台湾)と国交を樹立するようドイツ政府に求める請願書の署名数が3日、議会で議論されるための条件となる5万人を突破した。駐ドイツ台北代表処の謝志偉代表(大使に相当)は同日、自身のフェイスブックでこのことを報告し、「自由が独裁に打ち勝った日」とつづって喜びを示した。

請願書はドイツの一般市民によって提出された。文中で、中国は人権を無視してウイグル族を迫害しているが、一方の台湾は1987年以降民主化が進み、ドイツの基準では民主主義国家だと指摘している。先月11日に署名が開始された。

中央社の取材に応じた謝氏は、請願書は中国の一党独裁と台湾の民主主義を対比させて台湾のために声を上げているが、実はドイツ社会の雰囲気もある程度反映していると指摘。ドイツではウイグル族や香港の民主化運動に対する関心が高く、これらの問題に触れる際、民主主義体制と華人文化が相容れることの証しとして台湾がよく引き合いに出されると説明した。

謝氏はまた、中国の習近平氏が今年1月、一国二制度による台湾統一を主張し、武力行使も排除しないとする演説を行った際のドイツの反応に言及。マース外相が、武力で台湾を威嚇することを受け入れないと強調したほか、議会でも公聴会が開かれ、台湾問題が欧州でより注目を集めるようになったという。

署名の締め切りは10月10日。台湾時間4日午後6時半現在、5万3700件超の署名が集まっている。

(林育立/編集:塚越西穂)