普通に使っていた言葉なのに、地元を離れた途端、ぜんぜん通じなくなる表現ってありますよね。相手に聞き返されたり、意味を説明しているうち「これって方言だったの?」と気づいた時の衝撃はすさまじいです。今回はそんな「標準語だと思って使っていた方言」と「実は方言だった! と自覚した状況」を地方出身の社会人のみなさんに教えてもらいました。

静岡県民だって、時には「タコ」りたい!
・タコる→さぼる。大学で使ったら通じなくて恥ずかしかった(男性/32歳/小売店)

本当は通じていたけど、あえて聞こえなかったふりをしたのかも......。

岐阜県では「机をつって」います
・机をつる→机を動かすこと。「どうやってつるの?」と聞き返されて、初めて気が付いた。(男性/28歳/運輸・倉庫)

「つる」という表現は他にも似た言葉が多いだけに混乱を呼びそう。学生時代の席替え日などは、机がつりっぱなしだったということでしょうか。

■お菓子を「ばくり」あう北海道
・ばくって→交換してということ(女性/29歳/ホテル・旅行・アミューズメント)

「ばくる」という響きだと何かすさまじいことをしていそうですが、実際はとても微笑ましい光景なんですね。

■名古屋では鉛筆を「トキントキン」にする
・トキントキン→尖っていること。あの人の髪型トキントキンじゃない? と言ったら、「は? トキントキン?」と聞き返され、初めて名古屋でしか通じない言葉だと知った(男性/22歳/学校・教育関連)
・さらえる→残っていたものをかたづけること。食事中に少し残ったおかずを「さらえといて」と夫に言ったら意味が通じなかった。(女性/26歳/その他)
・シャビシャビ→カレーなどが水っぽくてサラサラしていること。関東出身の友達に「カレー作ったらシャビシャビになっちゃった」と話をしたら、「シャビシャビ?」と返されたとき(女性/25歳/医療・福祉)

おかずをすぐにさらえなかった旦那さん。同じ日本人なのに、そして夫婦なのに......、言葉の壁を感じてしまったかもしれません。

■関西では「めばちこ」だと心配されます
・めばちこ→ものもらいのこと。「今日めばちこで......」というと同僚がキョトン。意味を説明しても「すごく痛そうな名前!」と大爆笑(女性/25歳/情報・IT)

ただでさえ目が痛いのに、がっつり普通に使って通じなかった時の気まずさといったら・・・・・・。心もズキズキしてしまいそうです。

■岐阜県民は「ケッタマシーン」で登場!
・ケッタマシーン→自転車のこと。「ケッタマシーンで全力50秒程度」という距離の表現が伝わらなかった。「ドラえもんの道具か?」と聞き返されました。(女性/23歳/マスコミ・広告)

たしかに響きだけ聞いたら「ひみつ道具」並に早そうです。マシーンですからね。

■土佐では、水を「まけまけいっぱい」入れることも
・まけまけいっぱい→水などの液体が器から溢れそうになるくらいいっぱい入っている状態。高知の人が「それは土佐弁だよ」と教えてくれて、初めて知った(女性/27歳/団体・公益法人・官公庁)

とりあえず、ビールは「まけまけいっぱい」が最高ですよね。

■山形の庄内地方の「どさ?」
・どさ→どこに行くの?と聞くこと。同期が週末出かけると言うので、「どさ?」と聞いたら、「どさって何? 怒ってるの」と聞かれてびっくりした。その後、方言を伝えたら、大爆笑していた(女性/28歳/医薬品・化粧品)

わずか5文字の「どこ行くの」をさらに2文字にまで省略した「どさ」。よほど頻繁に使う会話だったのかもしれませんね。

■広島人にも「たいぎい」日はある
・たいぎい→しんどい。「たいぎいよね」といったら「は?」と言われた。(女性/32歳/団体・公益法人・官公庁)

一日に何度も「たいぎい」を連発すると、さすがにまわりに呆れられてしまいそうですね。

■このほか標準語だと思っていた方言
・宮城:いずい→しっくりこない。首都圏の人に通じなくてそこで地元の方言だと知った(女性/37歳/人材派遣・人材紹介)
・広島:たう→届く。広島のアンテナショップが東京にできたとき、店名が「TAU」になったという報道を地元でみて広島弁だったんだと思った(女性/32歳/小売店)

その土地の歴史が詰まった魅力的な方言がたくさん出てきましたが、標準語だと思いこんで、いつでもどこでも使っていると、思わぬリアクションが待っていることもあるようです。しかし、これらの中から全国でもスタンダードになる言葉が出てくるかもしれませんね。あなたは標準語だと思っていた方言はありますか?

調査期間:2015年3月
アンケート:フレッシャーズ調べ
集計対象件数:社会人435件(ウェブログイン式)