[画像] 「歩くとおっぱいが大きくなる装置」を発明した21歳女芸人に聞く、無駄すぎる作品の魅力とは?

「歩くたびにおっぱいが大きくなる装置」や「10分で彼氏を作る方法(恋人つくり機)」など、一見使えそうで、しかし全く使えない、そんな工作に勤しむ若い女性がいる。1年半前からほぼ毎日(最近は不定期)、YouTubeに「無駄づくり」と称して工作動画を公開。チャンネル登録者は1万2,000人超、再生回数10万回以上の動画も多数ある。動画の主は藤原麻里菜さん。彼女は一体何者なのか。どうして工作に情熱を注ぐのか……? お話を聞いてみた。

工作好きが高じて?お笑いの道へ

――もともと工作が好きだったのですか?

藤原麻里菜さん(以下、藤原):もともと美術系の高校に通っていたので、もの作りは大好きなんです。本当は美大に行きたかったんですが、デッサンが嫌いだったので諦めました(笑)。美大はどの学科に行くにしても必ずデッサンがあるので。それで、結局卒業後はNSC(吉本総合芸能学院)に入って、今はピンでお笑い芸人をやっています。

――工作が好きだったのに、唐突にお笑いの世界へ……?

藤原:明和電機さんとかが好きで、漠然と「工作×笑い」みたいなものに憧れがあったんですよね。ただ、さらに突き詰めて考えたら、「もの作り」が好きというよりも、「面白いことを提供する」のが好きなんだなと思った。だったらお笑いの世界に行くのが一番自分のしたいことに近いのかなと。結果的に、お笑いをやりながら、工作動画を作っているので、なんとなくやりたかった道を進めています。大事にしているのは「雑さ」。気の抜けた感じの笑いが好きなんです。

――今までで、これは一番の発明だ! と思ったのはどんな装置ですか?

藤原:「歩くたびにおっぱいが大きくなる装置」ですね。貧乳なので、おっぱい大きくする方法ないかな、ってずっと考えていて、電車の中でふと閃きました(笑)。胸の部分に風船を入れて、風船と靴をチューブで繋げて、足踏みすると胸の風船に空気が入るような仕組みです。

――すごいようで全然すごくない! 無駄だ!(笑)

藤原:街中でやってみたい、とかよく言われますが、実際は街で使っていると、ギャラリーができて恥ずかしいので、実用的ではないです(笑)。

おっぱい装置。足踏みするたびに胸に空気が入っていく…… ※ワンピースの裾が同時に上に持ち上がるので使用の際は服装に注意が必要だ

ダッチワイフに誕生日を祝ってもらったことも……

――実用面に関しては、ギャラリー以前の問題……(笑)。

藤原:「おっぱい」とかのエロ系ワードが入っていると再生回数が伸びやすいのか、このおっぱい装置は作った動画の中でも代表作みたくなっています。あとは、厳密には工作じゃないんですが、一番反響があったのはダッチワイフに誕生日を祝ってもらう動画です。ダッチワイフを膨らませて、「ハッピーバースデー」の曲を流しているだけなんですが、全動画の中で一番再生回数が多いです。

YouTubeのエロ動画ってすぐ消されるんですけど、消される前に発見するのが趣味、みたいな男性が結構いるみたいで。あとは、「乳首が一瞬気持ちよくなる無駄装置」もかなり再生されました。そこから動画を定期的に観続けてくれる人もいるので、たまにそういうのを意識して作ったりします。

――広告動画みたいなものなんですね。

藤原:逆に、ちゃんと考えて作った動画や、工作としては優れていて実用的な動画ほど、あんまり再生されないんですよね。「かわいい!レコードで時計を作る」とか、「日本人向けメイソンジャーでおしゃれライフ」とか。LP時計は部屋に置くとかわいいですし、メイソンジャーは流行っていたので違うバージョンを作ってみたかったのと、流行ってるものに対するアンチテーゼの意味も込めて作りました。「ごはんですよ」に穴をあけてストローをさしたもので、飲み物を入れて持ち歩くグッズです。

――「ごはんですよ」の味がしそうですね……。

藤原:作る前に洗ったんですが、珈琲を入れて飲んでみたら、ほんのりと海苔の味がしました……。

後編に続く…

(朝井麻由美)編集協力プレスラボ