サッカーボールで野球を行うキックベースについては、「昔やった!」「ちょん蹴りすると絶対に内野安打になるやつだ!」などなど思い入れがある人が多いことだろう。では、サッカーボールでゴルフをする「フットゴルフ」というスポーツはご存じだろうか?


「知らない!」という人もいるかもしれないが、それもそのはず。フットゴルフは2009年にオランダでルール化されたばかりの新しいスポーツだ。しかしその後、急速に競技人口は増え、現在は欧米を中心に30カ国以上で楽しまれており、日本でも昨年2月に一般社団法人 日本フットゴルフ協会が設立されている。

ルールについては、基本的に「サッカーボールでゴルフをする」と考えればOK。プレーする場所がゴルフコースで、服装はゴルフウェア、ウォーターハザード(池ポチャ)で1打罰、18ホールを1ラウンドとする……などはゴルフと一緒だ。

一方でゴルフとの違いは、ボールの大きさに合わせてカップが幅53cm、深さ30cmと大きくなったこと。また、ゴルフほど一打あたりの距離が出ないため、パー4が120〜130ヤード程度と短めに設定されていること。そのためゴルフ場の1ホールがフットゴルフ3ホール程度に分割されていて、カップもグリーン以外の場所に設けられていること……などだろうか。

「一番の魅力は、誰でも気軽にプレーできることですね。ゴルフの場合は、最初は上手くボールを飛ばせませんし、コースデビューまでにそれなりの練習も必要ですが、フットゴルフはどなたでもすぐにコースでプレーできます。緑に囲まれたゴルフ場の環境で、思いきりボールを蹴ることには爽快感もあると思いますよ」

そう話すのは日本フットゴルフ協会の田村一人理事。確かに映像を見ても、ゴルフ場でサッカーボールを蹴るのはかなり気持ちよさそう!

なおこのスポーツが生まれた背景には、「ゴルフ場の有効利用」「ゴルフ人口の増加」という狙いもあるのだそう。たしかにフットゴルフであれば、ゴルフ経験がない人でもゴルフコースでプレーができるし、料金もゴルフに比べて割安だ(栃木県「ケントスゴルフクラブ」の場合は平日2500円)。

なお日本では、昨年4月に開催された競技会以来、常設コースでのラウンドを含めて延べ5000人がプレー。やはりサッカー経験者やフットサル経験者が多いそうだが、「サッカーボールはゴルフボールと比べてよく転がるので、前に向けてトーキックで思いっきり蹴れば、サッカー未経験者でもそれなりに距離が出る」とのことだ。


そして日本ではビギナー向けの大会ほか、日本代表選考を兼ねた「ジャパンオープン」という大会も実施中。3月1日、4月4日、4月12日、5月9日の4大会の成績上位者6人から選出される代表選手は、6月5日〜7日にオランダで開催の「キャピタルカップ(The Capital Cup)」に参加できる。

「代表選考を兼ねたジャパンオープンには、年齢や性別問わず、どなたでもエントリーは可能です。3月の大会に参加していない方でも十分にチャンスはありますよ。渡航費用や日程の問題で、オランダの大会に参加が難しい方もいるかもしれませんが、“日の丸を背負って戦える”ということは大きなモチベーションになるのではないでしょうか」

現在、日本でフットゴルフがプレー可能な常設コースは栃木県の「ケントスゴルフクラブ」、兵庫県の「アイランドゴルフリゾート三田」の2つのみだが、今後1年で30コース程度まで増やしていく目標とのこと。「アメリカではすでに400コースを越えており、プロ生活が可能なほど賞金が出る大会もある」そうなので、今のうちにプレーしておけば、代表やプロも夢じゃない!?
(古澤誠一郎)

●今後の大会の予定
第10回フットゴルフジャパンオープン兼日本代表候補選考会
4月4日(土) 東我孫子CC(千葉県)

第11回フットゴルフジャパンオープン兼日本代表候補選考会
4月12日(日) アイランドゴルフリゾート三田(兵庫県)

第1回富士山フットゴルフ大会 in 富士の杜(ビギナー向け)
3月29日(日)富士の杜ゴルフクラブ(静岡県)
※エントリーや大会の詳細は日本フットゴルフ協会サイトで確認を