こうした事情もあり、長友佑都の帰還は待ち望まれていた。日本代表のアジアカップ早期敗退は、その意味でインテルには幸いな結果だったのだが、しかし、肝心の長友がUAE戦でハムストリングを痛めてしまったのは誤算だった。
 
 マッザーリ前政権の中心選手だった長友を、マンチーニも重要な戦力と考えている。豊富な運動量でチームに活力を与え、注意深い守備も安定している。左右どちらのサイドでもプレーできるユーティリティ性も、監督にとっては貴重だ。
 
 長友が入ることでチームのバランスが取れ、また常に集団のためにベストを尽くすそのプロ精神をマンチーニは高く買っている。
 
 とはいえ、マンチーニにとって長友は不動のレギュラーというわけでもない。間違いなく有用な選手だが、マンチーニは両サイドをこなすサイドバックの補強をトヒル会長にリクエストしているのだ。
 
 その意味でも、アジアカップでの怪我は長友にとって痛恨だっただろう。現時点では、離脱期間は不明。シドニーと日本で検査はしているが、詳細が分かるのはミラノでの診断を終えてからだ。
 
 真面目な長友のことだ。治療にもリハビリにも懸命に取り組むだろう。とにかく、1日も早い復帰を祈る。彼のためにも、そしてインテルのためにも、だ。
 
文:マッテオ・ブレガ(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙インテル番)
翻訳:利根川晶子