ドイツ特許専門ブログのFOSS Patentsは29日、米アップルがサムスンを相手に起こした特許侵害をめぐる訴訟で、アップルが控訴審準備書面の提出期限だった28日(現地時間)に控訴を取り下げる内容の文書を裁判所に提出したと明らかにした。複数の韓国メディアがこれを引用し、30日に報じた。
 
 カリフォルニア州第1審裁判所は、1次訴訟でアップルの訴えを認め、サムスンに9億2900万米ドル(約950億円)を賠償するよう命じていた。
 
 アップルが控訴を最終的に取り下げたことについて、業界ではアップルが訴訟を行うよりも、約1兆ウォン(9億2900万米ドル)の賠償金で実利を得ようとするのではないかとの推測がある。また、販売禁止の対象がギャラクシーS2など旧型の製品であるため、アップルの利点はそれほど大きくないとの指摘もある。 
 
 しかし、特許侵害訴訟でアップルに支払う賠償金を減らす必要性があるサムスンは、控訴を取り下げないと見られている。 
 
  韓国メディアは、「世紀の訴訟合戦」を繰り広げてきたサムスンとアップルが、2年前から新たな訴訟を起こさず、進行中の控訴を次々と取り下げているとし、両社とも訴訟のエネルギーを製品開発に向けるために“和解”を模索しているのではないかと伝えた。(編集担当:李信恵)(イメージ写真提供:(C)manaemedia/123RF.COM)