自転車は免許不要で、徒歩よりはるかに早く移動できます。カゴが付いていれば、荷物を乗せることも可能です。その利便性もあり、最近は自転車通勤が増えるなど、自転車を移動手段として活用する人が増えています。

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しかしその半面、自転車の迷惑マナーに驚かされることが少なくありません。ときには、事故になりそうなヒヤッとする場面も。そこで今回は、最近見かけた迷惑マナー事例をご紹介しましょう。

■スピードを緩めず歩道で歩行者に道を譲らせる

歩道に自転車マークが記されている場合など、例外的に自転車も歩道を通行できます。しかし、あくまで『歩行者優先』であることを理解しておきましょう。

歩いていると、後ろから自転車のベルの音。まるで威嚇するかのように、歩行者が道を譲るまでベルを鳴らし続ける人がいます。中には、ベルさえ鳴らせば歩行者がどくのが当然と考えているかのように、一切スピードを緩めずに抜き去っていく人もいるほどです。その状態で、もし歩行者がベルに気づいていなかったり、思ったのとは逆に動いたりした場合、そのまま歩行者にぶつかってしまうかもしれません。

自転車のベルは、何か危険などがある際に、それを周囲へ知らせるためにあります。決して、歩行者に道を譲らせるためのものではないのです。

■逆走!? 右側車線を爆走する自転車

歩道と車道が区別されている場合、自転車は『車道』を走ることが原則です。だからと言って、車道ならどこを走っても良いわけではありません。自転車で車道を走る場合、自転車は『左車線』、つまり車と同じ方向に向かっていなければならないのです。

しかし実際には、多くの自転車が右側通行。車に対して突っ込むかのように走行しています。では、もし車と自転車が接触してしまったときのことを考えてみましょう。時速40kmで走る車に、時速20kmで走る自転車が正面からぶつかったら…考えるだけでも恐ろしいことです。

また、交差点などでは左車線を走っていると右車線を横断してくる自転車の姿が見えづらいため、思わぬ事故を招きかねません。

■携帯電話や音楽プレイヤーを操作しながら運転

道路交通法でも禁止されている『ながら運転』。その中でも特に多いのが、次の2つです。

・イヤホンなどで音楽を聞きながら
・携帯電話を操作しながら

イヤホンは耳に直接音を送るため、外からの音を遮断してしまいます。そのため、周囲の危険を察知することができなくなります。これについては音量などについて道路交通法でも規定があり、また都道府県毎でも条例で禁止している場合があります。

また携帯電話は、まず操作時に片手運転となることで自転車操作が不安定になるでしょう。さらに目線が携帯電話に集中してしまうことで、例えば突然現れた歩行者や障害物などに気づかず、接触事故を起こす恐れもあります。

■赤信号も関係なしの交通ルール違反運転

これは歩行者にも見られることですが、赤信号を守らない自転車が非常に多くなっています。車と車との間が少しでも空いていれば、その間に通り抜けられると考えているでしょう。しかし、この「大丈夫だろう」という軽い考えが、時に大きな事故へと繋がることもあります。

実際に、車の後ろを走っていた自転車に気づかず「行ける」と思って赤信号で飛び出したところ、その自転車に横から突っ込んでしまったなどという事故があります。もし相手が車道で倒れ、そこに後から車が来たらどうでしょうか。あるいは、自分が倒れる側となってしまうかもしれません。

■謎の行動!自転車に乗って、さらに片手で自転車を運ぶ

最後に番外編です。自転車の片手運転はよく目にしますが、その離された片手で自転車を運ぶ姿を見たことがあるでしょうか。新しく買ったのか、それとも修理に出したものなのか……その背景は分かりませんが、そんな不思議な光景を何度か目撃したことがあります。

乗っている自転車こそちゃんと操作されているものの、離れた片手が添えられた無人の自転車はフラフラと不安定。たまにバランスを崩し、自転車が倒れそうになることもあります。不安定な運転で、もし歩行者や車にぶつかったら、どうするのでしょうか。よく二人乗りが注意されていますが、それ以上に危ない運転のように思えます。

■事故への備えを整えるのも、必要なマナー

このように、世の中にはたくさんの迷惑自転車があります。自分がルールを守っていたとしても、ルールを守らない人から事故に巻き込まれてしまうようなケースもあるでしょう。自分の身に何か起きたとき、あるいは誰かを傷つけてしまったとき、あなたにはどうやって責任を取ることが出来るでしょうか。

自転車は便利ではあるものの、事故などの危険性もある乗り物です。十分な注意をすると共に、保険などで万が一の対策を整えておくことも大切な方法といえます。自転車事故では賠償額が約1億円もの高額になることもありますが、例えばエアーリンクの「自転車の責任保険」では、ひと月300円の保険料で1億円、417円で2億円という賠償責任補償を受けることができます。

自転車保険は、まだ「知らない」という人が多いかもしれません。しかし、実際に毎年多くの自転車事故が起きており、高額賠償が生じることも少なくないのです。事故では、自らが傷つくだけでなく、もしかしたら相手を傷つけてしまうかもしれません。わずかな負担で大きな安心を得られることを考えれば、保険加入は自転車に乗るうえで必要なマナーといえるのではないでしょうか。